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2018/12
14
[ #1070 ]

今年に読んだ本から

 今年も残すところ半月ですが、相も変らず脈絡無く乱読の1年だった気がします。
 印象に残った本はその都度此処に記していた気がするのですが、それ以外で印象に残った本を少々。

 今年読んだ本で個人的に最も興味深かったのは恐らくこの本。


    ルポ川崎


 「ルポ川崎」  池部 涼


 東京と横浜の間に挟まれた工業都市「川崎」。その現代の状況というか風俗というか・・・のルポルタージュなのですが惹かれましたね。
 著者は確か音楽ライターの方であった記憶があります。

 その著者が2015年に川崎で起きた中1の少年のリンチ殺人に衝撃を受け、川崎の現状をルポしようとし出来上がったのがこの本ということでしょうが、読んでみて驚いたといいますか、日本も此処まで来たか?というと大げさですがそれに近い印象でした。
 著者が音楽系ライターという事で、その筋では知名度の有る”BAD HOP”というラップユニットのメンバーからの伝手を頼りに、ラップやDJ、(ブレイク)ダンス、スケートボード、パンク・・・・etcといった若者に人気のカルチャーの担い手で川崎在住の連中(というと言い方が悪いかな)に取材するというスタイルで出来上がっています。
 そしてこの川崎という街、若者に人気の音楽やカルチャーといった物を切り口にマスコミっ等では語られないであろう日本の現状といった物を見事に描いている本です。

 確かラップという音楽やブレイクダンスといった物が日本で紹介され始め割と知名度を上げたのはたのは80年代になってからであったと記憶しているのですが、その時はアメリカ、特にNYのスラムというかゲットーというか、そうした所に住む本当に貧しい若者が始めた文化で、高価な機材等、当然手にする経済力も無い彼らが、中古(場合によっては拾って来たりした)ラジカセ等で流す音楽に乗ってやる激しいダンスや、シンプルなリズムに乗せる語り的な歌で、彼らの閉塞感の大きさがその激しさに繋がっている・・・等々の特徴というか印象というか・・・、まあ、そうした紹介のされ方だった筈ですが、現在の川崎、或いは日本の若者を取り巻く現状という物、既にそれに近くなっているという事を実感させられた本でした。
 
 新自由主義に拠る貧富の差の拡大やその固定化、ある種の新しい階級社会化、そうした事を本能的に感じる若者達、その閉塞感、緩やかな絶望といった物が、刹那な暴力や、薬等による麻痺感に向かう現状・・・・。
 其処から抜け出すためのラップ等の音楽・・・等。
 そして悲惨な体験や育ち故に、より格好良く成れる、ラップバトル等で勝てるというある種の逆転的価値観というか・・・・。
 またそこ、現場や街場、正に下から生まれてきたカルチャーというか・・・・(その辺りがHIP・HOPの本質なのかも知れませんが)
 。
 兎に角、迫力でした。

 
 で、この本を読んで思い出したマンガがありまして、それも図書館で借り出し再読。

 この本です。


   リバーズ・エッジ


 「リバーズ・エッジ」    岡崎京子


 ヘルター・スケルター等で著名な漫画家、岡崎京子が1993~94に掛けて描いたマンガ。

 名作ですね。

 そして恐らく舞台設定は、川崎(の西部、多摩川近く)でしょう。

 93~4年というと、バブルのピーク後というか、ピークから下降線に入りつつあった時代ですかね?少なくともそうした気配は濃厚にあった時代というか、感覚が鋭い連中には感じられていた時代では無いかと思われます。特にこのマンガの登場人物の様な若者には、その行き詰まり感というか、そうした物は無意識に感じられていたでしょう。

 偏差値教育、資本主義、バブル・・・・そうした時代風潮が生み出した、レールから外れると生き残れないというか、安定した将来のためには”今”を犠牲にしなければならないというか・・・、そうした感覚。豊かに見えて実はかなり厳しい生存競争的社会。その閉塞感というか不条理というか・・・・。
 これを著者は”静かな戦場”と表現したのでしょうが・・・・。
 はい、ホント名作だと思います。これが25年程前にかかれたなんて驚くばかりです。

 そういえば今年映画化もされたとかDVDでも借りて観て見るかな?


 まあそんなこんなで今年印象に残った本です。
 来年も良い本に出合えればと思っています。


 
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2018/10
14
[ #1057 ]

田中美術館

 先日、岡山県井原市立の田中(でんちゅう)美術館に行って来ました。


   PA120894.jpg


 この前を走っていますR313はツーリング等でよく通る道、そのたびに気には成っていたのですが中々訪れる機会が無く、このたびが初の訪問です。
 この地に生を受けた彫刻家”平櫛田中”の作品の保存展示を主目的に造られた美術館です。

 この度の特別展示はこちら、


 PA140910.jpg


 情熱の日本画 「片岡球子」 展


 片岡球子の作品を生で鑑賞させていただくのは恐らく初めてということで、1Fの展示~2Fの展示とじっくりと観させていただいたのですが、迫力でした。

 球子氏の作品、戦前~戦後50年代~60年代~70年代~80年代・・・と、タッチや表現が変化するのですが、どの作品も人目で球子氏の作品とわかる存在感&迫力。

 眼福でした。


 そこから3Fの常設展、平櫛田中氏の作品も鑑賞。

 これも良かったです。

 彫刻作品、余り観る事が無いのですが、それでも氏の作品には惹かれましたね。

 
 そしてこのお二人とも百を超える長寿を全うされ、かつ晩年まで精力的に製作にいそしまれていた様子(あやかりたいものです)。

 珠子氏は齢80を前に始めて裸婦像に挑戦されたとか・・・・、そしてまたそれが魅力的で。
 田中氏の最晩年に造られた老婦人の彫刻もこれまた。

 
 やはりやりたい事をやって生きると年を取らないのですかね(勿論制作上の苦労はお有りだったのでしょうが・・・)

 或いは・探究心・好奇心・・・・・といったものを失わないのがその秘訣か・・・・?
 判りませんが・・・・。


 ホントそれはさて置き楽しませていただきました。


 また美術館自体も結構古い建物に見えましたが(近々建て替えとか)きれいに管理されている印象、これも嬉しかったのです。

 
 

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2018/01
14
[ #998 ]

衝動買い

 先日、珍しく本屋で平積みされていたコミック(漫画)を衝動買い。
 基本的にコミックや平積みされている本を買うことは少ないのですがなぜか衝動買い。
 たまにはこうゆうのも悪くないかと・・・・。


 その本(漫画)ですが、結構巷でも話題ですかね?



   君たちはどう生きるか

 「君たちはどう生きるか」


 
 表紙の男の子の目力に負けたのか?このストーレートなタイトルに惹かれたのか?我ながら良く解からないのですが・・・衝動買いです。


 早々に読んで見ますと・・・・。

 基本的に書かれているのは至極当たり前のこと。といいますか、通過して来た事といいますか、数十年前に考えたことといいますか、今でもたまに考える事といいますか・・・・。

 多くを知り、感じ、自らの心の動きを内観し、考え、決断し、行動し、そうして成長し生きていく。
 そしてその際に大事なのは他者の心の痛みがわかること。
 これが無ければいわば人でなしに堕すると・・・・。

 とまあ、こうした内容ですかね。


 私自身がそうしたことをちゃんと行えたかはさておき (笑)。
 当然、良い事も悪い事もしたし、卑怯な事もそうでない事もしたし・・・。
 その成れの果てが今の私な訳ですな。


 他、いくつかこの本を読んで感じたこと。

 確かこの本(漫画)1935(昭和10)年に児童文学として出版された本を基にコミックされた物だと思うのですが、とすると当時の若者も原作を読んでいた訳ですよね?そしてこうした本を読んで色々と考えながら成長した若者がその後戦争に巻き込まれていく訳でしょう。戦争、あるいは当時の軍隊、圧倒的”不条理”ですよね?
 特に戦場なんて・・・。

 そして彼らはその不条理にそうとう苦しんだでしょう・・・・。
 それを思うと心が重くなりましたね。
 またもしかすると彼らその不条理な体験が、戦後のアプレゲールや愚連隊を生み出したのかもと・・・・。


 またこの漫画、100万部も売れた(刷られた)そうで・・・・。
 このような漫画が100万部(凄い数ですよね?)も売れる今という時代、これはこれで大丈夫なのか?とも思ったり。
 普段平積みの漫画なんて買わない私もツイツイかってしまった訳なので人事でもないのでしょうが、ただ最初にも記したようにこうした事は自然と自分で愚図愚図と考えるものですし、あるいは普段の生活の中で自然と学んでいくもので、こうした一寸言い方は悪いですがハゥツー本的タイトルの漫画がここまで売れるというのも(そう、確かにこの表紙とタイトルは正解というか、インパクトがあるというか、売れた理由のひとつでしょうね)ちょっとね?とも思いすね。


 それともうひとつ、男児にとって叔父(両親の兄弟)という存在の良さも・・・。いってみれば叔父って、最も近い他人の大人といいますか。
 その距離感や存在って結構大事にも思えるのですよね。
 確か古いフランス映画の名作に”ボクの叔父さん”なんて有った記憶も有りますし。
 その叔父という存在が内包するのは、おそらく適度な、あるいはゆるい、ちょっと無責任な”父性”なのではないかと思えるのですよ。
 これが結構良いのでは?と。


 まあ、”父性”というものは何か?といくとこれまた難しいのですが、まあ言ってみれば”システム?社会性?お約束?不文律?フィクション?しきたり?社会的ルール?・・・・etc”

 まあ良く解かりませんがそんなものでしょう。

 おそらく古い時代はある程度大きくなった男の児って、近所の銭湯での大人の会話を小耳に挟んだり、葬式等の儀式で同じようになんとなく学んだり、時にはしかられたりと、とにかく近所のおっさん達の会話や振る舞いから色々な事を学んだり、知ったり、考えたりして成長した面が強いと思いますし、また大人も子供が聞いている、見ていることを意識して振舞っていた様に思えます。
 
 これが父親とか教師、先輩とかになると、ある種の絶対的力関係というか上下関係や責任感が有りすぎて色々難しい面も多そうですが、これがいわば他人の大人ですと適度に無責任だったりしてやさしくもできたり・・・と。

 この適度な無責任さというかやさしさというか責任感(で、場合に拠っては遊び相手にもなれたり・・・)の代表的なのがこの叔父という存在のてきとうな”父性”かな?とも想った訳です。


 少々我田引水的にはなりますが、実はバーテンダーにものめられる重要な要素のひとつがこの(叔父のような)”父性”でとは常々おもっていたりしまして・・・・。
 またスナック(広島ではスタンドともいいますが)のママさん等の本来的売り物は”母性”では無いかとも。
 (この辺がファミリーレストラン等とは違うところ)


 翻ってこの本が多量に売れているのは、こうした近所のおっさんとか親戚の叔父さんとかとの交流、そうした人たちからなんとなく学ぶ機会の減少も一因では無いかと思いましたね。


 また蛇足ながら、この本は基本的に子供向けの本、おそらく対象年齢は10台前半、小学5年生から中学生いっぱい辺りでは無いかとも思える本でした。拠って当然ながら私のようなおっさんには内容自体は少々物足りない印象も。


 ではどんな本が好みかと(あるいは高校生以上向けだとどうだ)いうと。



 最近読んだ本ではこの辺り、面白かったのですよね。


 都市と野生の思考


 「都市と野生の思想」  インターナショナル新書
 
 適度な読み易さ&対談形式が私好みで楽しかったです。


 

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2016/12
13
[ #892 ]

人に勧めたくなりました

 昨日、時間を作って映画を一本観て来たのですが、これが良い映画で、何といいますか人に勧めてみたくなる映画でしたね。

 勿論、何を持って”良い映画”というのか?と突っ込まれそうでは有りますが、観終わって劇場を後にした際に心に浮かんだのが、シンプルに「良い映画を観させてもらった」という思いだったのです。
 ”面白かった”とか”泣けた””感動した”楽しかった””ハラハラした”・・・等々映画を表す言葉は多々ありそうですが、この映画に対し私が先ず想ったのは”良い映画だった”という思いだったのです。

 其の映画

 
      この世界の片隅に

 「この世界の片隅に」。


 普段アニメ映画を観ることは無いのですが(そういえば数年前”百日紅”は観に行ったか・・・・)、この映画は少々気になったのです。
 舞台設置が昭和初期の呉、広島周辺という事がその主たる理由でもあったのですが、予想以上に良かったですね。


 描かれているのは、その昭和初期、江波で生まれ育ち呉に嫁いだ主人公の女性及び其の周辺の方達の日常であり、当時のそれが淡々と描かれている訳なのですがこれが見事といいますか・・・・。

 奇をてらう訳でも無く(そう最近の多くの映画、そうした表現があざといとというかインフレというか、兎も角疲れる気がするのですが・・・)、描かれた当時の人々の生活から其の頃の日本の庶民の生活や生活観、性格、更に言えば慣習や習慣といった物まで推察できる描き方で、まるで宮本常一氏の著作を読んでいるような気にもさせれれます。

 恐らくはオーラル(聞き取り)や一次資料の調査といった事もそうとうされたのでしょう、こ作品自体がある種民俗学の資料とすら成りそうで・・・・。

 そしてその当時の庶民視点から見た戦争という物がこれまた当たり前描かれているといいますか、或いは戦争という不条理が庶民に与えた事というべきか・・・・。


 そう、我々の親の世代までは先の大戦を体験している訳でして、またそうした方々から少しばかりですが当時の事も聞かせていただいたりはして来ましたがそうした方々も既に高齢となられ・・・・、という今の時期にこの映画が作られたことはやはり意味が有る様に想われます。

 なんといいますか、そうした(オーラル等に協力された)方々の思いの様な物まで感じられる気のする作品でした。

 またどうも聞くところによると、有志の寄付等?も制作費に入っている作品とか・・・・。
 それも一因ですかね?
 

 別に商業主義が全面的に悪いとは言いませんが、最近の映画作品や世相等々、投資家の取り分ばかり増えているというか・・・・。まあ兎も角そうした印象を受ける事例が多い気もしますので、そうでない方法論の良さなのかも知れないとも想ったり・・・・。


 何だかべた褒め的になりましたが良い作品でした。
 (朝日遊郭も描かれていた分、個人的にポイントアップになったかもしれません   笑 )

 

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2015/10
03
[ #760 ]

百日紅

 久々に映画館で映画を観て来ました。
 どうも鷹野橋のサロンシネマが閉まって以来映画館に行く頻度が下がっていると思い付きまして、それならばと・・・。
 まあ天気も良いし単車でも引っ張り出してと出かけた訳です。

 観た映画はこちら。


           百日紅


 アニメかよ?何ていわれそうですが・・・。


 実は私、映画館でアニメ作品の上映をみるのは本作が初体験。因みに映画館は”シネマ尾道”


 シネマ尾道


 数年前に出来たという噂は耳にしていたのですが、ここも初体験。
 まあ、何事でも初体験は大事かと。


 閑話休題、何故この映画なのかといいますと。

 このアニメ映画の原作は数年前に夭逝された杉浦日向子さん、知る人ぞ知る江戸文化大好き女性。この方の書かれるエッセイ等好みで良く読んでいたのです(因みにこの映画の原作”百日紅は未読です・・・・)。
 そしてこの作品の主役は葛飾於栄、北斎の娘の女浮世絵師。江戸文化や浮世絵に興味引かれる面の多い私としては気になっていた訳です。

 
 そこで、感想。

 何せ登場人物が、於英、北斎、若いころの英泉に とと屋北渓、さらに国直・・・・ですから、それだけで嬉しいですね。
 

 そう、動く杉浦日向子ワールドが楽しめるだけで、個人的には満足だったのです(ということで一般の方の意見とは異なるかも知れません)。
 製作者の杉浦日向子さんに対する尊敬とかオマージュといったものを感じる映画でした。

 また北斎の描き方も良かった気がします。


 個人的意見ではありますが・・・・・。

 江戸中期、暴れん坊将軍(笑)に拠り享保の改革が行われた訳ですが、その改革の一つに蘭学に対する禁忌の緩和という物もあった筈です。これに拠り、特に都市部の知識層に近代的合理性とか西洋思想・近代科学といった物が普及していく訳ですが(たとえば平賀源内とか司馬江漢、解体新書等はその代表的なものでしょう)、それに拠り都市部において、それまでの日本的あるいは土着的な信仰の様な物の存在感が薄くなって行く何て事も起った様に思われるのです。
 たとえば妖怪や物の怪といった存在に対する懐疑や祈りとか、あの世といった存在に対する懐疑・・・・といった風に。
 そして都市部の進歩的な住人の感覚と従来の感覚を保つ人々の間にある種感覚の(分断というと大げさですが)差異の様な物も生まれ、あるいは個人の内面においてもある種の分裂の様な物も生まれた様にも思えるのです。
 故に江戸中期以降、妖怪絵や怪談話も逆説的に流行った気もするのです。

 そして、北斎の晩年はある種それらの統合の様な事をしていたのではと個人的には思う面もありまして。

 そして、この映画の北斎のイメージはそれに近いのですよね。

 結構、納得の映画でした。


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2013/08
16
[ #522 ]

バイク漫画のこと

 先日あるお客様が、「マスターは”バリ伝”か”キリン”かというと、どちらかといえばキリン派ですよね?」といった意味の事をおっしゃいまして・・・。

 それに対し「どちらの世界観も理解出来ますよ」、と答えたのですが・・・。
 (因みに”バリ伝=バリバリ伝説”も”キリン”も共に著名なバイク漫画です)

 
 蛇足ながら、バリ伝に関して言えば連載が始まった当時、既に乗っていたRZ350でしばしば峠通い・・・。完全に同時代といいますか・・・。(コミック等買ってはいませんが・・・)
 キリンは(以前にも書きましたが)、6年ほど前までその存在を知ら無かったところに上記のお客様が最初の10冊ほどを貸して下さり・・・。いや~、良く描けてると思いましたね(結局古本屋でその10冊程を購入してしまいました)。
 

 そんな会話をしていて思い出したのが「万歳ハイウェイ」という漫画。これが好きでした。
 と同時に昔たまにつるんで走っていた”T”の事。彼のバイクにその漫画由来のステッカーが貼り付けてあり・・・。
 

 その”T”が事故で死んだらしいと聞いて、そろそろ6・7年になるのかな?
 お盆時期の所為かそんな事を思い出してしまいました。
 
 

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2012/11
14
[ #438 ]

キリン

 先日、あるお客(Ninja)様がこんな物を貸して下さいまして。


          キリン

 「キリン」という映画のDVDです。


 一部の単車乗りには絶大な人気のコミックを原作に映画化された物です。
 その割に私自身はつい4・5年前までその作品(コミック)の存在を知らなかったのですが・・・。

 調度4・5年前でしたか、これまたあるお客(Ducati)様がこの原作コミックを貸して下さり読んだ覚えがあります。
 その時の感想は「良く描いてる・・・」(結局、古本屋にて初めの数巻を買ってしまったので嵌ってしまったという事なのでしょう)。

 で今回は有り難い事にDVDが回って来ました(本当に有りがたい事です)。



 そこで、原作も含めての感想です。

 この作品、特に映画にもなった物語の初めの部分。一体何を描いているのか?
 それは(ある種の)単車乗りである事の止め方、終止符の打ち方ですかね?
 
 納得の行く1日。あるいは最高の1ラップ?

 勿論、人によっては何らかのレースのタイトル、あるいはトロフィーといった物でも良いのかも知れませんが、一寸違う気もします。
 
 ある種の単車乗り(それこそ単車に跨る理由が”危ないから”というタイプ)にとっては、タイトルと言うより納得できる1日(1ラップ)と成りそうな気がします。
 またその性故に、それはクラッシュという結末に非常に近い気もします。


 そうしてみるとこの作品。
 納得できる1日(ラップ)+大クラッシュ+かつ死なない。
 という事で、その手の単車乗りのある種の理想を描いている様に思えます。



 ここでふと思い出したのが以前読んだ(また映画化もされたのでそれも観た)「リービング・ラスベガス」という小説。

 この小説、アルコール依存症の主人公がアメリカ国内では唯一24時間酒が飲める街”ラスベガス”へ行き、そこで仲良くなった娼婦に見取られつつ、ひたすら酒に溺れて死んでいく・・・といった内容なのですが、もしかするとそれはそれで、アルコール依存者のある種の理想形を描いているのかも知れません(私は、そんな死に方したくないですが・・・)。

 しかし娼婦(母性溢れる女性)に看取られつつ、アルコールの酔いに思考停止(麻痺、逃避)し乍死んでいくって、正に(アル中)男の甘えではないのか?甘ったれたマスターベーションでは無いのか?

 そうした印象でした。



 そうなるとこの”キリン”という作品も、もしかするとある種の単車乗りのマスターベーションでは無いのか・・・?
 
 そう考えると、私自身かなり耳が痛いです(どちらかと言えば、そちらに近い単車乗りでしたので・・・)。
 (以前、このブログにこんな事も書いた気が・・・)


 しかし物事、突き詰めると最後は主観(マスターベーション)なのかも知れませんし、また人間は結局のところ一人で死んでいくしかない存在と言う見方も出来ますし・・・。
 

 そこでこのキリンという作品。少なくともリービング・ラスベガスの主人公の様に女性に看取られる事を望んでいない以上、根本的に異なる。あるいはより自己完結的とも思えそうです・・・・。
 唯、もしかすると”でか尻女(ポルシェ)”がリービング・ラスベガスの娼婦である。と言う事も言えそうで・・・。



 相変わらず話がくどくなりましたが・・・DVDですよね。

 観てみました。

 原作にかなり忠実な造りといった印象(好きな人たちが造ったという印象)。
 (またそれ故に、哀しいかな原作を越えられない定めを受け入れざるを得ないのかも知れません)
 
 また恐らく観た方全員が高速道路のシーンのスピード感不足は言われるとは想います。
 唯、現在の我が国の社会情勢・道交法等考えますと頑張った撮影だと想います。

 雰囲気は有ると想います。



 

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2012/07
23
[ #406 ]

ヘルター・スケルター

 先日広島市内に出かける用事が有り、時間も取れましたので今話題の映画「ヘルター・スケルター」を観て参りました。


 実はこの映画の原作コミック、十年程前に某書評と書名に興味を惹かれ購入しておりました。
 (その本はお客様に貸したキリになってしまいましたが、この度映画化されると聞き及び再読したくなりまして再び購入してしまったという私としては一寸お気に入りの作品です。)(普段は女性向けコミックなんてまず読まないのですが・・・)


 ヘルター・スケルター

 装丁も雰囲気・・・。



 実は同じ監督作品の「さくらん」という映画も映画館で観ておりまして(舞台設定が江戸吉原、観に行きます・・・)、その「さくらん」も事前にコミックを読んでいたのです。


 先ずそこで映画「さくらん」の感想はと言いますと・・・。

 映像が動かなければ(スチール写真としてなら)、素晴らしく美しい。
 唯、動き始める(動画となる)と台詞や所作がどうしても美しく想えない。
 という物。
 (私が江戸吉原という世界に少々想い入れが有る所故かも知れません)
 (しかしそういえば、少し前に観に行った「源氏物語」の映画も似たような印象)


 で今回の映画、「ヘルター・スケルター」の感想・・・・・・、
 

 の前にこの原作コミック何を描いているのか?を・・・


 それは、非常にタチの悪い市場経済主義という存在、同様な(或いはその走狗たる)マスメディアという存在。それらが作り上げたどうし様も無い現代。またそこで生きる女性という生き物の性(サガ、或は業、欲)といった物を描いている様に思えるのです・・・。
 (女性の欲を食い物にして肥大した、市場経済主義とマスメディアというと嫌味過ぎるか?)


 良くもこんな原作を映画化するよね!と言うのが、観に行った理由の一つ。

 また監督が映画「さくらん」と同じ方。
 原作の世界。詰まり、見た目表面は素晴らしく美しいが内面やプライベートはメチャメチャ、といった雰囲気に相性が良いかも?とも想ったのです。



 で、映画「ヘルター・スケルター」の感想・・・。


 想った以上に原作に忠実。各役者さんも、原作のキャラクターに非常にマッチしています。ストーリーも文脈的には、原作のまま。

 結構良く出来ている印象。

 「さくらん」の映画もそうでしたがこの監督、原作コミック(の世界)を出来るだけ忠実に実写化されるのが好きなのかも知れません。

 唯その分、原作を超えれないと想えるのも事実。
 まあ、読者というもの原作を各々個人の理想形にと想像力を使って勝手に読んでる訳ですから(声とかリズムとか描かれていない部分とかも含め)・・・。其れを考えるとかなり良く出来た作品と想えます。



 唯、あくまで私の趣味で言えば、もっと”エロく””グロく”描いても良いのでは?という印象。
 折角の実写なのですから・・・。

 濡れ場も結構有るのですがあまりエロく無いのですよね。

 もしかすると監督も主演女優さんもそれほどエロさの無い女性なのかも知れません・・・。
 (勿論、わざと抑えて撮ったのかも知れませんが・・・。)


 そんな印象でした。


 しかしこんなコミックが20年近く前に描かれていた事自体が驚きです。
 マンガ、侮れずです。


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2010/06
12
[ #181 ]

 まろ、ん?  小泉吉宏

     

     まろ、ん?


 大掴源氏物語 まろ、ん?  小泉吉宏  2002・02
 ジャンル  8コマ漫画・源氏物語



 源氏物語は、一度通しで読んでみたいと想っている作品。
 (遊女等の源氏名の起源はここですし、浮世絵や古い小説、読み物等にも源氏物語からの見立ても多く、やはり日本人としては一度は・・・と)


 しかしいざとなると・・・。
 勿論、原文で読めるほどの能力は私には無く、それ以前にその長さ、及び女性の描いた恋愛小説? という事も有り腰が引けておりました。

 その様な折にお客様に教えて頂いたのがこの本です。
 源氏物語全58帖を1帖あたり見開き2ページの8コマ漫画とし、そこに簡単な解説を付けたという趣旨の本で、副題に「大掴源氏物語」と有る様に、これ1冊で源氏物語が解った気になる本です (笑) 。

 作者の小泉吉宏氏は以前に”ブッタとシッタカブッタ”のシリーズで禅的思考といいますか、諦め、悟り、東洋的思考・・・・といった物を見事に4コマ漫画にされた方。
 シッタカブッタも楽しませていただける作品でしたが、この”まろ、ん?”も非常に楽しめました。
 

 ただ、一つ困った事が・・・。
 この本を読んで以来、源氏物語の登場人物が小泉氏のキャラクターに思えてしまい・・・。
 刷り込まれてしまったのでしょうね・・・。


 

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