FC2ブログ
2010/01
04
[ #128 ]

 雑考26  都々逸

 ここ数年、”都々逸”に少々惹かれます。とはいっても私は自分の音痴に自信があるので、聞いたり読んだりばかりなのですが・・・。


 因みに都々逸というものは7・7・7・5で構成される(たまに、頭に5が付いたり、7が付いたりしますが)唄なのですが、ある種のゆるさと色気が感じられ、一寸お気に入りなのです。
 和歌とか俳句とかは・・・?といわれるかも知れませんが、俳句、川柳の5・7・5は文字数が少ない分緊張感がありすぎ、いい加減な私には厳しい気がします。 和歌となると雅すぎて雑な私には似合わないですし、狂歌となると和歌を知った上でのひねり、知性がついていきません。


まあ、そんなこんなで都々逸がお気に入りなのですが、面倒な事をダラダラと書いても仕方ないので、有名な(お気に入りの)都々逸を少々・・・。

 ・いとし殿御と 寝ねするときは 憎や烏が 早く鳴く

 江戸後期(天保年間頃)の小見世の遊女なんかに歌われると、ゾクゾクしそうですよね、そうすると高杉晋作(他の人の作とも言われますが)じゃ無いですが、

 ・三千世界の 烏を殺し 主と朝寝が してみたい

 なんて返したいですよね。

 しかしこの唄、長州音頭(維新節、男なら)に取り入れられ、萩等では盆踊りなんかに歌われている筈ですが、この歌詞で小学生が踊るの(意味が分っているのか?)は流石、萩といいますか。

 しかし、幕末から明治にかけて造られた(それ以外でも)民謡に、7・7・7・5の節が多いですよね、例えば

 ・土佐の高知の はりまや橋で 坊さん簪 買うを見た   
 とか
 ・雨は降る降る 人馬は濡れる 越すに越されぬ 田原坂  
 とか

 都々逸の元が潮来節ゆえに民謡と相性が良いのかも知れません
 確か、享和年間の”潮来絶句”(画・北斎、詩・富士唐麿)に、当時流行の潮来節がいくつか載っていた筈ですが、例えば

 ・口が嵩じて 背中と背中 明けの烏が 仲直り

 完全に都々逸ですね・・・。まあ、それはそれとして

 ・鰍鳴くよな 谷間の宿で 博多帯解く 音がする

 ・朝顔は 馬鹿な花だよ 根の無い竹に 命までもと 絡み付く
 (朝顔は 馬鹿な花だよ 根の無い竹に 命賭けての もらい水)
  
  (5字かぶり)

 ・お酒飲む人 花なら蕾 今日もさけさけ 明日もさけ

 等の唄も、何となく夜と酒と色気の香りがして好きですね・・・。


 でも、やっぱり最高は

 ・こうしてこうすりゃ こうなるものと 知りつつこうして こうなった



 まあ、人間ってそんなもので・・・。

 というわけでバカナリヤ、 バーにもかかわらず流れている音楽がごく稀に、都々逸だったりすることが有ったりしますが、仕方ないマスターだな~と、笑って許していただけると、嬉しいです。
 現実には、8割以上は、ジャズを流しておりますが・・・。

 (前回と同じ終わり方?)

スポンサーサイト

続きを読む »

タグ :   日本文化  /   音楽  /

しりとり雑考CM(0)TB(0)URITOP

Copyright © ますた [バーテンダーと呼ばれる程のバカは無し] All rights reserved.

2010/01
08
[ #129 ]

 クリムト&シーレ

 先日、北九州市立美術館にて開催中の「クリムト、シーレ ウィーン世紀末展」を観に行って参りました。

 

 わざわざ? なんていわれそうですが・・・、クリムト&シーレは一度見てみたかったもので・・・。
 それにクリムトやシーレあまり広島に来ないのですよね。何年か前に、確か島根県立美術館に”ウィーン分離派展”として開催されていた記憶があるのですが、行きそびれてしまい・・・。それと、美術館自体も一寸気になっていたもので。

 また美術に詳しい訳では無いのですが、毎年、新年は何故か美術館に行きたくなるのです。


 展示内容は、クリムトとシーレの作品を集中的に展示するといった形ではなく、彼らに象徴される”ウィーン分離派”とその成立、及び、周辺、時代 といった内容です。
 

 時間と気力が許せば、同分館で開催中の”ロートレック展”も観て帰ろうかと思っていたのですが、本館の他の展示まで観ているとその気力は残っていませんでした。
 まあ”ロートレック展”は来月からひろしま美術館に来ますので、そこに行く事にということで・・・。
 

 美術館の後は駅近くの旦過市場をぶらつき・・・(ちょっと、雰囲気のある市場です)。
 京町1丁目、2丁目、船頭町の路地裏経由で小倉駅へ・・・。
 この辺り、もともと色里のあった場所の筈、時代物の建築物が残っている訳では無いのですが、ちょっと歩いてみました。

 (京町の地名も、いかにもですよね。 京町とか、仲ノ町、江戸町、新町などの町名は、もと色里であった事が思い伺える地名ですよね・・・。また”新OO”の町名、歓楽街に多いですよね、それも一寸古くなった・・・)


     美術館内部     旦過市場

Copyright © ますた [バーテンダーと呼ばれる程のバカは無し] All rights reserved.

2010/01
11
[ #131 ]

 ビールの本  植田敏郎

  

        ビールの本

 ビールの本  植田敏郎  1958・07  東京創元社
 ジャンル  ビール


 ”ビールの本”という名前のビールの本です。
 1958年(昭和33年)発行ですので、今から50年余り前の本となります。作者は広島出身のドイツ文学者です。

 内容は、昨今のビールに関する本の様に各メーカーのビールの味とか、写真・特徴といったカタログ的な情報は殆ど書いてはありません。昭和33年と言う出版時期を考えるとそういったものなのでしょう。

 この時代は、昭和30年に”三種の神器(白黒テレビ、洗濯機、冷蔵庫)”がもてはやされ、31年”もはや戦後ではない”の言葉(経済白書)、32年”一億総白痴化”の言葉。
 戦後の混乱が一応落ち着き、大多数の庶民が何はともあれ食べる事は出来るようになり、そこから飲食等に付加価値的意味を求め始めた時代。そうした時代に出された本だと思えます。
 もしかすると消費者向けに出されたビールの本としては嚆矢かも知れません。
 (因みにこの年の秋、朝日麦酒が日本初の缶ビールを発売します。もしかしたら、その引っかかりもあったのかも知れません)


 また、装丁も時代を感じます。箱付きの本ですが、その箱がダンボール製です(そういえば最近、箱の付いた本って減りましたよね)。

 
 今でこそ大型書店のドリンク・酒のコーナーに行けば、ビールに関する本がかなりの数(新書、実用書、ハウツー本等のコーナーも入れれば更に・・)見つける事が出来ると思いますし、またその中に書かれている情報量も大変な量でしょう。
 ハードとしての出版物もそこから得られる情報も、溢れかえっている気がします。

 ネットの情報も加味すれば更に・・。


 この本が出版された時代はハードもソフトも貴重な時代。故にか内容もカタログ的情報ではなく、ビールの文化論、ビールを飲む事の意味付け的な面が強く描かれている気がします(故に私好みです)。
 当時の日本の酒飲みの状況等に思いをはせながら読むと、面白いと思える本です。
 また、著者がドイツ文学者という事で、ドイツのビールに関する説話などが楽しいです。

 ますた

 

タグ :    /

マスターの本棚からCM(0)TB(0)URITOP

Copyright © ますた [バーテンダーと呼ばれる程のバカは無し] All rights reserved.

2010/01
17
[ #132 ]

 雑考27  ツーリング

 ”ツーリング”と聞くと”バイクで遠出する事”と思うのは、やはり私が単車乗りだからなのでしょうか?


 ツーリングとは英語の”tour”=旅行、旅行する事、の~ing形でしょうから、別にバイクに限らないのですが・・・。
 確か中学で英語を習った時には”tour” は旅行全般で、”trip” が比較的短い旅行、と習った様な気がするのですが・・・・。 では”travel” は?あるいは”journey” は?・・・。
 ん~、記憶が曖昧です。
 

 まあ、英語での細かいニュアンスの違いはさておき、外来語的なツーリングの言葉のイメージはというと・・・。
 例えば二輪や四輪のTT(ツーリスト・トロフィー)レースであるとか、自転車のツアー・オブ・ジャパンやツール・ド・フランス、トレール・ランのツール・デュ・モンブラン等から連想される様な・・・。
 目的地などよりも、移動する事自体に意味を求めた旅行に思えます。あるいは、どこからかスタートしてそこに帰ってくるような旅行・・・。

 もしニュアンスとしてそれが正しいのであれば、バイクでのちょっとした旅行って最も近いのかな?等と思ってしまいます。
 四輪派、自転車派の方々には叱られそうですが・・・。

 ただ私としては、四輪の場合、移動の為の道具のイメージが付きすぎ(最近よく売れている車ってそうですよね?殆ど家電と同じ感覚で買われている様な・・・)、もし運転自体に焦点を当てるのであれば”ドライブ”と言いたくなります。自転車だと、私の様な中年のおっさんにはツーリングのまえにアスレチック(運動)の要素が強くなりそうで・・・。徒歩だと、旅とかトレッキングとか散歩と言いたくなります。
 
 そこで私としては、やはりバイク(オートバイ・単車)。
 今でもたまにバイクでふらっと出かける事がありますが目的地にあまり重きを置きません。目的地を決めないと落ち着かないので一応は決めますが、主目的はバイクに乗る事それ自体。観光をしつつも、実際はバイクに跨る事、より思いどおりにバイクを走らせる事が目的。ツーリングって、そんなイメージです。


 しかしたいした目的も無いのに走回るのは、無駄というか馬鹿というか・・・。まあ単車乗りってそんなものかも知れません。


           ツーリング


  ますた
 
 

タグ :   バイク  /

しりとり雑考CM(0)TB(0)URITOP

Copyright © ますた [バーテンダーと呼ばれる程のバカは無し] All rights reserved.

2010/01
19
[ #133 ]

 アバター

 先日”アバター”なる映画を観て参りました。
 あるお客様がカウンターにて「結構、興味深い映画ですよ」と、おっしゃっていらっしゃったのをお聞きし、それならと出かけてみた訳です。
 3Dの吹き替え版です。


  その感想は・・・。

 先ず3Dの映像ですが、余り違和感は感じませんでしたね。勿論、映像に全くの違和感が無かった訳では無いのですが、それがCG映像全般に私が感じるものなのか、3D特有のものなのか、あるいは両方に拠るものかは定かでは無いので、出来れば実写映像主体の映画を3Dで観てみたいですね。
 どちらにしろ違和感は少なく、十分観賞に耐えうる物だとは思います。
 ただ私の様な眼鏡着用者にはあの3Dグラスは使い辛いですね。出来れば眼鏡着用者向けにオーバーグラスタイプが欲しいです(もしかしたら、すでに有るやも知れませんし、3D映画が普及すれば出てくるでしょうが・・・)。


 映画の内容は・・・?と言うと、結構良かったです。前半の製作者が原住民?の生活を通して描いた(自然と調和する事を良しとした)世界観は、私が思う世界観に近く好感がもてますし、描き方も上手いと思いましたね。
 後半のパロディーの効いたところも良し。全体的に良い出来の映画だと思います。


 しかし米国人はこの映画を観て、どんな感想・意見を持つのでしょうか?
 勿論、米国人にも色々な人間が有るでしょうが・・・。

 ・深くは考えず、単に楽しい映画と言うのか?
 ・こんな映画を作れるアメリカの自由はすばらしい、と思うのか?
 ・子供っぽいというのか?きれい事と冷笑するのか?(何処かの会社のCMの様?)裏切り者と思うのか?
 ・それともやはり、白人が指導したから彼らは勝てたのだ・・・、と思うのか?

 まあ私には判りませんが・・・。


 どちらにしろ、中々面白い映画でした。もし私が一言で言うなら・・・、
 「目一杯エンタテイメント化された”ダンス・ウイズ・ウルブス”」
 かな?

 ますた

 

続きを読む »

タグ :   映画  /

鑑賞て来ましたCM(0)TB(0)URITOP

Copyright © ますた [バーテンダーと呼ばれる程のバカは無し] All rights reserved.

2010/01
23
[ #134 ]

 悪人  吉田修一

 

         悪人

 悪人  吉田修一  2007・04  朝日新聞社
 ジャンル  エンタテイメント


 書名に惹かれて購入したのですが好かったと思える本です。

 一言で言うなら、”現代を舞台とした市井物”、でしょうか?

 市井物の定義をどうするか?という問題もありますが、私としては”近松門左衛門”作の世話物の様な話が”市井物”、ですかね?
 貨幣経済の残酷さと人間関係のしがらみに苦しみながらも、真っ当に生きる、あるいは真っ当に生きようとする男女の話。こうした話で、江戸時代を舞台として書かれた物が、いわゆる市井物と呼ばれているのでは無いでしょうか?
 え?近松の作品と言えば”心中物”。真っ当に生きるのではなく。死ぬ話では無いですか?等といわれそうですが”自死”と言う結末の人生を自らの意思で生きる事と決めた人間の生を描いていると捕らえれば、近松の心中物の主人公も、私に言わせればやはり”真っ当に生きた”と言える気がするのです(別に、心中を奨励する訳では無いですが・・・)。
 (そういえば最近、男女の心中話のニュースをあまり耳にしないような・・・、男女関係のあり方がどこか変わったのでしょうね。)

 
 そうした観点からするとこの小説、舞台こそ現代ですが描き方、話の展開、ラスト等、市井物と言いたくなります(心中して(死んで)終わる訳では無いですが・・・)。

 まあ、ストーリーの事を細かく書いても仕方ないので・・・。

 私としては、お勧めの本という事で・・・。


 しかしこの本、結構売れたように思えるのですが、この手の小説が売れるという事は今の時代”しがらみ”とか”時代の空気”に足掻いている人が多いのかも知れませんね。


   ますた

 

Copyright © ますた [バーテンダーと呼ばれる程のバカは無し] All rights reserved.