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2019/11
02
[ #1145 ]

暴力はどこからきたか

 この手の本がすきなのですよね。

 先日図書館で借り出した本ですが、タイトルといい、装丁の写真といい、内容といい・・・、正に私好みの一冊でした。

 この本です。


 
   PB020916.jpg

 
 「暴力はどこからきたか」  -人間性の起源を探るー   山極寿一

 
 2007年の出版なので少しばかり前の本ですが、まあ、良い本に新しい古いは余り関係ないですよね(そして確か著者の山極寿一氏、現在では京大の学長に成られていた様な・・・・)。

 内容としては、霊長類社会生態学を専門とされる氏らしく、そのほとんどが、所謂サル類や霊長類の行動観察から得られた、彼らの生態や社会の話でして、人間の暴力という件に関しては、最後に少し・・・といった感じなのですが非常に楽しく読めました。

 私自身この手の話は好きで、またこの作品が少し前の出版という事もあり既知の事柄も多かったのですが、そうした事も関係なく面白かったのです。非常に整理された内容ですし、読んでいるうちに少しばかり疑問が生まれたりした場合でも、数頁先にはその疑問に答えてくれる事が平易な文章でしっかりと書かれている・・・といった具合で・・・・。

 しかしこうした本を読むと、サル類や類人猿といった物が、非常に高度で自然に即した社会性や、ある種”作法”というか”文化”というか”しきたり”というか、そうしたものを身に着けている事に驚かされます。
 特にゴリラやボノボ等、言ってみれば「実るほど 頭を垂れる 稲穂かな」的に、群れのボスが謙虚さや、他の個体に対する気遣いを身に着けている事等・・・。

 比して現代人、その辺りの事を忘れ去りつつ有るのでは?とも想わされたり・・・。
 そういえば”人類は退化した2足歩行のサル”等と開高健も喝破しておりましたが、産業革命やフランス革命といった近代の目覚めと共に人類はそうした社会性を失い始め退化を始めたのかとも・・・・。



 最近、”本離れ”といった事が盛んに言われておりますが(そういえば先日近所の本屋がまた一軒閉店していましたし、らしい古本屋も街から無くなってしまったし)、たまにはこの手の本を読んで、我々(人類とは)何ぞや?とか、どこから来てどこへ行くのか?とか、この世とはいかなる物であるのか?とか・・・、そういった根源的な事に想いを馳せるのも大事かな・・・とは、思いますね。

 特にこれから”AI”なんて物が発達してくると、殆どの事は人工知能や器械にとって変わられるでしょうから・・・。
 そして恐らくそうした場合に人間にしか出来ないこと、人に求められる事、というのは恐らく”哲学”といった物に成るのでしょうから・・・・。

 




 追記


 そういえば確か10年余り前くらいですか「ケータイを持ったサル」何てタイトルの新書が流行った記憶がありますが、確かにSNS等の発達により、多くの日本人が人でも類人猿ではなく”サル”的なメンタリティーに退化している様な・・・・。

 そんなことも思わされるこんな時期だからこそ人に薦めたくなる本でした。
 


 

 

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