2010/01
11
[ #131 ]

 ビールの本  植田敏郎

  
        ビールの本

 ビールの本  植田敏郎  1958・07  東京創元社
 ジャンル  酒 ビール


 ”ビールの本”という名前のビールの本です。
 1958年(昭和33年)発行ですので、今から50年余り前の本となります。作者は広島出身のドイツ文学者です。

 内容としては、昨今のビールに関する本の様に、各メーカーのビールの味とか、写真・特徴といったカタログ的な情報は殆ど書いてはありません。昭和33年と言う出版時期を考えるとそういったものなのでしょう。

 この時代、昭和30年に”三種の神器(白黒テレビ、洗濯機、冷蔵庫)”がもてはやされ、31年”もはや戦後ではない”の言葉(経済白書)、32年”一億総白痴化”の言葉。
 戦後の混乱が一応落ち着き、大多数の庶民が、何はともあれ食べる事は出来るようになり、そこから、飲食等に付加価値的意味を求め始めた時代。そうした時代に出された本だと思えます。
 もしかすると消費者向けに出されたビールの本としては嚆矢かも知れません。(消費者なる言葉が、当時意識されたかは不明ですが。)
 (因みにこの年の秋、朝日麦酒が日本初の缶ビールを発売します。もしかしたら、その引っかかりもあったのかも知れません)

 また、装丁も時代を感じます。箱付きの本ですが、その箱がダンボール製です。(そういえば、最近、箱の付いた本って減りましたよね)

 
 今でこそ大型書店のドリンク・酒のコーナーに行けば、ビールに関する本がかなりの数(新書、実用書、ハウツー本等のコーナーも入れれば更に・・)、見つける事が出来ると思いますし、また、その中に書かれている情報量も大変な量でしょう。
 ハードとしての出版物もそこから得られる情報も、溢れかえっている気がします。
 ネットの情報も加味すれば更に・・。

 この本が出版された時代は、ハードもソフトも貴重な時代。故に、内容もカタログ的情報ではなく、ビールの文化論、ビールを飲む事の意味付け的な面が強く描かれている気がします。(私好みです)
 当時の日本の酒飲みの状況等に思いをはせながら読むと、面白いと思える本です。
 また、著者がドイツ文学者という事で、ドイツのビールに関する挿話などが楽しいです。

 ますた

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