2010/03
03
[ #145 ]

 吉原御免状    隆 慶一郎

          吉原御免状
 
 吉原御免状   隆 慶一郎   1989・09   新潮文庫
 ジャンル   時代エンタテイメント

 この本の著者”隆慶一郎”氏の作品の魅力は、遊行民の存在に対する視点を歴史時代小説に持ち込んだ事に有るのではないか想います。

 遊行民・・・。律令制の成立と共に、その不定住性から被差別民とされ、またその特殊性故に社会の中において、一定の位置を占めてきた人々・・・。特に、芸能等の分野において存在感をもち続けてきた人々(これは、ヨーロッパのロマ、ジプシーにも通ずるとおもえる)。 明治維新での新戸籍制度導入に伴い、消えていった人々。戦後教育において、存在すら忘れられつつある人々・・・。


 この小説は江戸中期の新吉原を舞台に、著者の遊行民に対する考え方、彼らに対する想い暖かい視線等が全編に渡って書かれた小説です。やや荒唐無稽な感もありますが、エンタテイメントと考えるとそれもプラスに作用している気がします。

 私としては、時代エンタテイメント小説の傑作に、まずは揚げたい一冊なのです。

 ますた

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