2010/04
26
[ #164 ]

 現代思想の遭難者たち  いしいひさいち

               現代思想の遭難者たち
 
 現代思想の遭難者たち  2002.06  講談社
 ジャンル  4コママンガ・現代思想


 実は4コマ漫画が結構好きなのです。4コマという短さと決まりの中で、クスッと笑えるのって、何だか川柳とか狂歌に通ずる気もして嬉しいです。
 
 そこでこの本ですが、現代思想をテーマにした4コマ漫画。現代思想家たちを笑いのネタにしてやろうという大胆な作品で、現代思想の大まかな流れを学びつつそれを笑い飛ばせるという、1粒で2度美味しいといった本です。
 
 作者の”いしいひさいち”氏、出世作の”がんばれ!!タブチくん!!”もそうですが、実在の人物をパロディーにするセンスは流石というか・・・。見事というか・・・。この作品も笑える作品となっています。

 では何故、現代思想、或いは現代思想家が笑いのネタになるのか・・・?


 思想や哲学。これっは人間自体、或いは人間の社会を考える学問なのでしょうが、(人間とは何か?人はいかに生きるべきか?でもよいかな・・・)現代思想はそれを、科学的手法や思考によって解き明かそうとする行為だと想われます。
 
 しかし人間の行動。気分とか、感情とか、無意識とか・・・、そういったあやふやな物にかなり拠っていますよね。また人間社会、このあやふやな人々の感情や気分が複雑に絡み合って成り立っている以上、科学的手法とは、やはり相性が悪いといわざるを得ない気がします。

 例えば・・・、明日、私自身がどういった気分に陥り、どういった行動をするかなんて、私自身でもよく判りませんし、それを完璧に分析、証明しようとするのであれば、私のDNA及び私が生まれ落ちてから、私が5感で感じた全ての情報を検討しなければならなくなりますよね(人間の脳みそ、身体って、そうして成立している気がします)。
 そこに、科学を科学たらしめている比較実験、再現性等々の手法、現実的には使えないですよね・・・(たとえタイムマシーンがあったとしても・・・)。
 
 で、現代思想。この人間や人間社会というあやふやな物を科学的手法のみによって解明しようとする行為。
 その痙攣的努力が客観的にみると笑いのネタになるという事では?等と想う訳です。

 (現代とは、科学絶対主義、科学万歳教の時代といってよいかも知れません)

 また、現代思想家。人間社会を個人の力、或いは自我によって解明しようとしているのでしょうが、その結果社会性をなくし(全てとはいいませんが)、他者から観ると単なる変わり者になってしまっている事も、この本が笑える大きい理由かも知れません。

 (真面目に現代思想を勉強している方々、申し訳無いです)
 (思想とか哲学、それ自体、非常に魅力的だと考えております)

 だらだらと下らない事を書き連ねましたが、私にしては、笑える本です。

 ますた
 

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