2010/07
14
[ #193 ]

 ウイスキー博物館  監修=梅棹忠夫・開高建

           ウイスキー博物館

 ウイスキー博物館  監修=梅棹忠夫・開高建  1979・05  講談社
 ジャンル  ウイスキー



 つい先日亡くなられた著名な民俗学者である梅棹忠夫氏と、写真家で作家の開高建氏、両氏の監修によるウイスキーの本です。
 出版が1979年。

 確かサントリーのシングルモルトウイスキー(当時はピュアモルトと呼んでいた筈)山崎が発売されたのが、1984年。
 我が国にシングルモルトが普及、定着するのはこの後の事なので、この本が出版された時点では我が国においては、未だシングルモルトの認知度も低く、当然モルトブームも起こってない時です。
 拠ってこの本も、最近のウイスキーの解説書等の様にシングルモルトのカタログ的内容ではありません。

 ではどのような内容であるのか・・・。


 序章を除いて3部構成となっております。

 第一部は、”ウイスキー・歴史との対話”。
 ウイスキー誕生の歴史。そして経済学、社会学的面からのウイスキーという物の位置付け、及びウイスキーの文化・文明における面に対する座談会となっております。

 第二部は、”ウイスキー・誕生との対話”。
 ウイスキーの製造過程等の技術的な解説が主体です。他、酔いに対する科学的アプローチ、テイスティングに関する事等。

 第三部は、”ウイスキー・人間との対話”。
 ウイスキーの風俗史、及びウイスキーをテーマとするエッセ等、ウイスキーを飲むという行為に対する意味付けをしている気がします。


 全体として、ウイスキーという存在に対し多方面からアプローチをしている本で、ウイスキー(を飲む行為)に対する愛情にあふれた本です。
 私としては、特に第三部がお気に入り。


 バブル以降のこの手の本、全体的にカタログ的になった気がしますし、また確かに情報は多いのですが、それらの情報を掲載する事の意味付けといった意味で、少々物足りなさを感じる気もしています。

 この本、確かに旧い本ですし出された時代に拠るものなのかも知れませんが、ウイスキーを飲む行為、或いは、ウイスキーと人間の関わりといった視点を持った本の様に想え、嬉しいです。
 監修が梅棹忠夫氏・開高建氏と言うのもいいですね。まあそれ故、こうした民俗学的、文学的、文化人類学的な香りのある本になっているのでしょう。

 また、今日から見れば旧い写真等も多く掲載され、その辺りも私のお気に入りの理由のひとつです。
 
ますた

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