2010/08
09
[ #203 ]

 赤い帽子の女  黙陽(かげろう)

             赤い帽子の女

 赤い帽子の女  黙陽 (青木信光 編)  1980・11  美学館
 ジャンル  耽美小説とその周辺

 この本の著者”黙陽(かげろう)”。実はこれは芥川龍之介ではないのか?という噂が昔からあり、そうした面で結構有名な小説で、ご存知の方はご存知かも知れません。

 この「赤い帽子の女」、初出は大正2年(1913年)に東大卒の哲学者・小倉清三郎氏創設の性に関する研究会「相対会」の報告書に掲載された物との事。(まえがきヨリ)

 そしてこの本は1980年に青木信光氏が、大正当時の雰囲気を伝えるため原作を原文のまま掲載発行されたものです。

 中を開いてみますと、前半が小説「赤い帽子の女」本文。後半が、「赤い帽子の女を中心として」。これは小説の舞台となった当時のベルリンの状況、風俗について書かれた物です。
 またそれ以外に、当時の雰囲気を伝えるヌード等の写真、イラストがふんだんに挿入されております。


 前半の本文を読んでみますと・・・・。

 原文のまま、という事でしょう。全編に亘り大量の伏字・・・。中々、リズム良く読むには辛いものもありますが雰囲気は在ります。
 (現代ならば、殆ど伏字にはならないのでしょうが・・・。どちらが良いのかは別にして・・)
 (ネット等に過激な情報が溢れすぎている感のある現代も、如何な物か?とも想います)

 そうした面でも、後半の「赤い帽子の女を中心として」の方が私好み。当時のベルリンの雰囲気、状況。或いは、当時の世界の空気等が想像出来て良いですね。


 そして、肝心の作者ですが・・・・。
 編者の青木信光氏は芥川説を取られているようです。が、私としては違うような印象を受けました。(これといった確証がある訳では無いのですが・・・・、芥川であればもう少し軽妙洒脱になるのでは?と感じた次第)

 (この件に関しては数年前、フランス文学者の鹿島茂氏が、何処かの雑誌で、作者はフランス文学者の辰野隆であると書いていらっしゃった覚えがあります)


 それはそれとして、19世紀末から20世紀初頭の雰囲気の感じられる本です。

              中身

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