2010/11
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[ #237 ]

天地に愧じず  六道 慧

             天地に愧じず

 天地に愧じず  六道 慧  2005・09  光文社時代文庫
 ジャンル  時代小説

 


 六道(りくどう)慧 氏の書く御算用日記シリーズの2作目です。現在12作まで出ております。

             御算用日記シリーズ


 お客様に勧められた事が切っ掛けで読み始めた本です。女性作家のシリーズ物時代小説という事で、正直あまり期待していなかったのですが想った以上に楽しめました。

 巻末の参考文献を眺めても判るのですが、しっかりと資料を読まれたうえで書かれていることが感じられます。にも関わらず押し付けがましく無いのが嬉しいです。この辺り女性作家ならではなのかも知れません。男性作家だとやや知識・資料が表に出やすい気がする事が多いように想うのです・・・。
 それと何より伊智、冨美、三紗の三姉妹のキャラクターの描き方が見事。流石女性作家と言うべきでしょうか・・・。

 しかし一番の魅力は各巻にて使われる格言・名言。その選択、使い方です。

 例えば、・水濁れば、則ちふるうの魚なし、とか、 ・水は方円の器に従う、 ・田に畠に打出の鍬の小槌かな、 ・電光影裏斬春風、 ・足るを知る、それこそが富、 ・甚を去る、もの壮んなれば、則ち、老ゆ、・・・等々。
 日本文化、東洋文化の奥深さを再認識させて貰える気がします。ギスギスした現代の中で、ホッとさせてもらえる気もします。

 シリーズの中でこの第二作目を選んだのも、”天地に愧じず”の言葉がお気に入り故です。
 ”俯仰天地に愧じず”。天を仰いでは天に愧じず、地に俯いては地に愧じず。こうした生き方を目指したいものです・・・。(出来ているかは別にして・・・)
 昔、”人は見ていなくても、お天と様はみていますよ。”と躾けられた気もします。

 更にこの巻に出てくる、”心くらべ” なんて言葉も良いですね。財産や能力、持ち物をくらべ、誇るのでは無く、心のまっすぐさ、心構えこそが大事である・・・。
 何が正しいのか?誤っているのか?非常に難しい現代であるからこそ、こうした言葉に触れると嬉しいです。


 色々と書きましたが、気楽に読める時代物です。
 最近少しばかりマンネリ気味な気もしますし、主人公の2人の男性のキャラクターがちょっとファンタジーっぽくなったといいますか・・・・。
 まあそんな気もしますが、気軽な時代物としてお気に入りです。

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