2010/12
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[ #247 ]

酒場の文化史  海野 弘

            酒場の文化史

 酒場の文化史  海野 弘  1983・04  TBSブリタニカ
 ジャンル  風俗史


 サントリー博物文庫の中の1冊です。副題に、 -ドリンカーたちの華麗な足跡- と付けてあります。
 内容としては、14世紀頃から20世紀初頭に架けてのヨーロッパ、特にイギリス、フランスの酒場の形態の変化を、小説や絵画等を通しと明らかにしていくといった物です。

 先ずはホメーロスのオデュッセイアから酒場の誕生を語り、チョーサーの文章から14世紀、シェイクスピアで15世紀、ディッケンズで19世紀、といった風に英国の酒場の変化を、また、バルザックやロートレック等で19世紀末のフランスの酒場を、そこから更にカクテル、バーテンダーといったアメリカスタイルの流入といった辺りまで書かれております。

 私の感想としては、酒場の文化史と言うより”盛り場の文化史”とでも呼びたいような内容です。


 何故か?
 14世紀頃に出てくるタバト(宿屋、兼、酒場の様な物)、そしてその近くに多く有ったとされるシチューハウスの事。特にこのシチューハウス、元々は風呂屋らしいのですが、そのうち女性が常駐して売春宿的になっている・・・。これなんて江戸前期の湯女風呂ですよね・・・。そしてこれらが、川沿いや橋の袂等に固まり、ある種の盛り場を形成している。
 洋の東西を問わず、そうした物なのでしょう。

 他にも15世紀頃の”イン”。中庭の付いた宿屋。この中庭で大道芸等が演じられ、酒が飲め、売春婦がたむろする・・・。
 またミュージックパブ、カフェコンセールといった演劇酒場。
 更に、後にサパークラブで催されるギャンブル・・・。

 タバト、エールハウス、パブ、タヴァン、パーラー、ビクトリアンパブ、ジンショップ、ビールパレス、バー・・・・・。
 酒場の形態、名前の変化等々の記述も確かに勉強になるのですが、それらの裏に潜む社会の変化、遊びの変化、社会状況、社会心理、歴史、文学・・・・。

 とにかく色々と読み取れそうで、お気に入りの本です。

 ますた
 

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