2011/02
18
[ #266 ]

陽暉楼  宮尾登美子

        陽輝楼

 陽暉楼  宮尾登美子  1979・09  中公文庫
 ジャンル  時代小説?

 先日、得月楼に盆梅を観に立ち寄りました事もあり、今回は陽暉楼。
 全編に亘り土佐芸者”桃若”こと房子の哀歌、といった内容です。
 確か初出は1976年(昭和51年)で、描かれている時代が昭和10年前後という事なので、大まかに時代小説と呼んでも良いのでは?と想います。

 主人公”房子”の哀しい生涯。それは有る面、当時の花柳界に生きる女性の悲惨さともいえる内容です。
 この作品の内容だけで判断するのは問題でしょうが、昭和10年前後という、時代の転換点(満州事変~太平洋戦争に至る時代)の空気感、その時代の夜の街の空気、花柳界の空気の様な物が想像できる気がします。

 またこうした内容で書かれた事は、作者宮尾登美子の個性(女性の生涯を描く事とテーマとされている事、あるいは、彼女の思想)に拠る面が強いのでしょうが、それ以外にもこの作品が著された1970年代半ばといった時代性も有るのか?とも、想えます。
 (70年安保から・・・・の時代・・・)

 
 しかしこうした夜の世界、あるいは花柳界に生きる女性の哀しみを描いた作品を読んだ上で、土佐芸者を揚げてお座敷遊びに出かける(更に玉水を歩いたり、得月楼に上がったり・・・・)。私という人間は如何な者か・・・・?とも思われそうですが・・・・。

 それはそれで、色々と感じる事が出来る気がするのです・・・・。

 またこの作品を読んでいたが故に、旅に深みが増した気もするのです・・・。

 

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