2011/04
02
[ #276 ]

青葉台駅チャリンコ2分  鈴木カオリ

                青葉台駅チャリンコ2分

 青葉台駅チャリンコ2分  鈴木カオリ  2005・03  小学館
 ジャンル  自伝小説


 自転車店の女将さんの自伝小説です。

 簡単に粗筋を書きますと・・・。

 主人公の女性(著者)が、酒に溺れる女子大生~自転車に目覚め競技選手に~怪我で挫折~カウンセラー見習いするも挫折~自転車誌のアルバイト編集員~フリーライターと結婚~二人で自転車屋を始める。
 と成るのですが・・・。

 こう記すと、まあよく有る自伝小説かな?といった感じに受け止められそうです、がしかし、これが面白いのです。

 文体等、その魅力は色々有る様に思われますが・・・、 私としてのこの本の一番の面白さは、見ず知らずの男と女が夫婦となり生きていく事、その意味を見事に書いてある気がする事です。



 男に出来て、女に出来ないこと・・・(勿論例外もありますし、異論も有るでしょうが・・・)。

 実はそれは夢を喰って生きる事かも知れません・・・。
 或は違う言い方をすると、損が出来る事・・・。

 そこで夢とは何ぞや?という話に成るのですが・・・。

 例えばいい大学に入る、一流企業に就職する、大金持ちになる、有名になる・・・。
 こんなの夢というより、欲という方が近い気がします・・・(其処には他者も社会も無いですよね・・・)。


 そこでこの本の主人公の夫・・・。
 兎に角、自転車屋が開きたい・・・。
 何のために・・・・。(具体的には書かれては無いですが)自転車の楽しさを世間に伝える為、あるいは自転車好きが求める空間としての店を作るため・・・。
 そしてその目的の為には、「銭、金、じゃ無い!」。

 夢ってこの「銭、金、じゃ無い」。ってのが重要な記がします。

 勿論「銭、金、じゃ無い」で突っ走ると、商売なんて成立しません。
 そこで女性が、その現実面を補完する・・・。

 またこの現実感が女性らしさとも想えます。


 恐らくこの主人公も・・・。いい大学に入りたい、自転車でいい成績を残したい、カウンセラーになりたい、自分らしい記事を書きたい・・・。どれも、したい、したい、したい、・・・・。
 ちょっと言いすぎかも知れませんがやはり主観的、そこに他者とか社会性は少ないですよね・・・。

 で、どこかで行き詰る・・・・。真直ぐな性格なだけ余計に・・・・。

 そうしてそこで、カブ(亭主)の夢に乗っかる・・・。

 そういった小説です。



 この本を読んで思い出したのが、この都々逸・・・。

苦労する身は 何いとわねど 苦労しがいの 有るように 

 これって、男女関係の有り様として一つの形ではないでしょうか?
 しかし今では、
亭主元気で 留守が良い・・・ ですからね~。男も女も救われませんよね・・・・。


 色々と書きましたが楽しい小説です。何だか若いこに薦めたく小説でもあります。


 (追記  表紙をワインで汚してしまいました)

 ますた
    
 

スポンサーサイト

Copyright © ますた [バーテンダーと呼ばれる程のバカは無し] All rights reserved.

≪  大山祇神社   |   雑考53  前  ≫
COMMENT:

SECRET: (管理者だけに表示を許可する場合)
 
トラックバックURL :