2012/04
13
[ #379 ]

ミードのはなし

 ワイン、ビールに続いて歴史が古く思われる酒に”ミード”という物があります。

 これこそ人類最古の酒という意見もあるようで、5000年位前のバラモンの経典(リグ=ヴェーダの事か?)にサンスクリット語の記述有るとか?(サンスクリット語ではmadhuとか)
 (私個人としては、其処まで古い記述では無いのでは?と想っておりますが・・・)

 またその原初は、熊等が壊した蜂の巣に残った蜂蜜に雨水が流れ込み、自然発酵した出来た。そこで自然発生的に成立しうる故人類最古の酒で有るとする意見もある様です。

 何が最も古い酒か?何て議論するのも不毛な気もしますが、ミードを作るには蜂蜜を収集し、それを発酵しやすい濃度まで希釈する必要があります。
 また蜂蜜、ある種の抗菌作用のある物質も含まれていたり・・・。(過酸化水素に近い物とか・・・)
 (どちらにしろ、私はこうした手間、理由故ワインの方が古い酒だと想っております)


 閑話休題、ミード。何度か口にしたことが有ります。(たまに店にも置いて有ったり・・・)

 ミード  ミード・エチケット

 その感想で言えば・・・。
 ワイン等と比べ、(現代的)嗜好品としては少々物足りない。という印象(嗜好品として見るなら、蜂蜜そのままの方が、セパージュとかテロワールとか楽しめそうな気もします)。

 蜂蜜をそのまま薄めた味と言いますか、甘さが前面に感じられ単調な印象です。

 しかしこれは現代的嗜好品として見た場合の印象ですし、もしかしたら”ミード”というお酒はそういう視点で見る物では無いのかも知れません。

 ではどう見るべきなのか?


 一寸話が横道に逸れますが・・・。

 酒という飲み物には、色々の位相が存在している様に想えます。

 想い付くまま列挙してみますと・・・。
 

  1、神々との社交ツールとしての酒

  2、食べ物(液体化された主食)としての酒

  3、人との社交ツールとしての酒

  4、ステイタス・シンボルとしての酒

  5、水分補給の為の酒

  6、擬似通貨としての酒

  7、嗜好品としての酒
  
  8、薬(百薬の長)としての酒

  9、贈答品としての酒

 10、流通商品としての酒

 11、農産品としての酒

 12、工業製品としての酒

 13、芸術品としての酒

 14、収集対象としての酒

 15、資産としての酒

 16、楽しみとしての酒

 17、ドラッグとしての酒

 18、生活の句読点としての(だれやめ)の酒

 19、芸術的発想のプライマーとしての酒

 20、科学薬品としてのアルコール

 21、溶剤としての酒

 22、投資対象としての酒
 
 23、戦略物資としての酒

 24、投資対象としての酒

 25、アル中の酒   ・・・・・・ 等々


 幾らでも出てきそうです(思いつくままなので順序はいい加減です)。
 まあ、普段酒を飲むときこんな事を意識して飲んでいる訳では無いですが。

 そこで、ミードですが。
 薬、百薬の長として認識されていた面が強いのではないかと想えます。特に古代においては。
 非常に効果的な万能薬。そしてその存在感故に文献に残りやすかったのではと・・・。
 (古代の酒、多かれ少なかれ、薬あるいは健康飲料としての面は有りそうですが・・・。)


 では、古代において”ミード”に薬として効果は有ったのか?

 当時としてはかなり劇的に有ったのではないかと想像します・・・。

 先ず第一に、アルコールってそれだけで即効的に効きます(酔っ払う)。更に吸収されやすい糖質から造られている事。

 例えば我が国において、多くの人々が餓えから開放されたのは戦後の事でしょうし、世界的に見ても20世紀になってからと見ても良いのでは無いかと思います(勿論、現代でも飢餓に苦しんでいる人々は多いですし、古代だって飽食をしていた人々も有ったでしょうが)。
 それ以前、特に古代においては摂取カロリーの量が、そのまま幼児死亡率や寿命、健康に直結していた時代に於いて、またカロリーに餓えている身体にとっては、吸収されやすいカロリーとしての糖質の摂取はかなり劇的に効いたのでは無いでしょうか?
 
 更に蜂蜜由来のミネラル分等々。

 それこそ、始皇帝の仙薬(水銀だったとか?)や馬宝(馬の胆石)、犀の角などより効いたのでは(プラシーボ効果を除いて・・・)

 そんな気がします。


 ついでにもう一つ。
 ミードといえば・・・。ハネムーン・・・。
 結婚して1月位はミードを飲んで励みましょう(何にだ?)というのが、ハネムーンの語源だそうですが、やはりそれなりに効果があったのでは・・・。


 そして現代でもミードという酒。嗜好品と言うよりは健康食品として認知されている面が強い気がします。

 考えてみますと、”ミード”、古代の位置付け、詰まりは薬や健康飲料としての位置付けを現代でもそのまま保っている貴重な酒と言えるかも知れません。

 恐らくはその、味等も含め・・・。
 

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