2012/07
20
[ #405 ]

ワインのはなし 4

 古代ギリシャではワインを水で薄めて飲んでいた、と前回書きましたが、では水で薄めずにそのまま飲む人間は居なかったのか?
 文献等では、ワインを薄めずに飲むのは悪魔の所業?である。或は身体に恐ろしく悪い行為である。即座に泥酔に至り大変な事になる。といった論調ばかりが残っている様です。


 では実際にそうした連中は居なかったのか? 

 推察ですが、当然存在したと想われます。
 (で無ければ”ワインは薄めて飲むべきである”といった論説が喧伝される筈も無いでしょうし)

 当然の事ですが”ワインを薄めて飲む”という行為(所作、文化)が発明されるまでは、皆、生のままで飲んでいた訳でしょうしね。
 その後ある時期に、人々がある程度日常的にワインを口に出来る状況が生まれ、其れに拠り泥酔する者であるとか、酔って対人関係に問題を起こすとか、身体を壊すとか、そうした事も生まれる様になり、社会問題化もし・・・。其れを受けて、ワインは薄めて飲むべきという作法が発明されたと考えるのが自然に思えます。

 其れは江戸に新吉原が誕生した後に「初回・裏・馴染」という仕来りが発明された事と似ている様にも思えます。
 実際にこの仕来りがどの程度守られていたか?という事も含め。  笑  


 しかしこの、薄めるという手間を掛けてわざわざワインを不味くして飲むという行為、この無駄に思える物こそがある種文化の一面とも思えます。


 少し話を戻しますが、ある時期からワインを日常的に飲める状況(人々)が生まれて来た訳ですが(それ以前はどちらかと言えば、ハレの飲み物)、その理由は何なのか?

 考えられる理由は幾つかあります。

 1・ワインの保存技術が確立した
 2・ギリシャでワインの生産量が増大した。(このころから輸出も始まります)
 3・ギリシャが地中海の派遣を握り、豊かになった。
 4・銀貨の鋳造が本格化し流通が発達した
 等々

 一義的には、1のワインの保存技術が確立した事が大きい様に思えます(で無ければ、他の要因が成立しても収穫期後の一定期間以外にワインは飲めない訳ですから・・・)。

 そのころから、アンフォラという素焼きの壷にワインを満たし松脂で密閉する事に拠りワインの酸化を防ぎ、長期(夏季)の保存を可能にする技術が確立して一年中ワインが飲めるようになる。
 またその他の理由(ギリシャの国力増大等)により、かなりの人々が年中飲めるようになったのでしょう。


 では当時のギリシャのワインはどんな味なのか?と言うと・・・、
 あくまで想像ですが、何時か書いた黒海周辺のワイン同様に、甘味が強く重めのものが主流だったと想像できます。
 そして更に、アンフォラの密閉に使われた松脂に香りが付着し、スパイシーになった物と想像出来ます。

 この松脂の香りの付いたワイン、今でもギリシャの名物ともなっています。

 有名な物では・・・。

 レツィナ

 レツィナ・オブ・アッテカ。

 サヴァティアノという品種で作られた白ワインで、松脂で香り付けされています。
 (当時飲まれていた物は赤ワインでしたが・・・)


 ではこのワイン、美味しいのか?

 恐らく現代の感覚や基準で図ると、際物の粋を出ないのでは?といいますか、そうした評価をされている様に思えます(其れすらも一つの商品価値として意味づけされています)。


 しかし私自身は結構好きなのです。
 夏に香りの強いオリーブオイルと、たっぷりのハーブを使った料理なんかと合わせると、最高って思えます。

 また、そうした地中海の気候や料理に合せて飲まれてきた物(残って来た物)の様にも思えます。(単体で飲んで、繊細さとか絶対的美味しさを感じるかは別にして)

 そうした面もアリですよね?

  
 

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昨晩おじゃましました
久しぶりでした。
白ワインも相変わらず美味しいものをいただけましたし、ヨーグルトのチャームもなかなかでした。
またお邪魔します。

16時すぎに たるお さんから

2012/07/21(土) | URL | #-

2012/07/21 - ■■■

 たるお様、来店ありがとう御座います。
 相変わらずのバカナリヤですが、これからも宜しくお願い致します。

10時すぎに ますた さんから

2012/07/23(月) | URL | #-

2012/07/23 - ■■■

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