2012/08
19
[ #415 ]

ワインのはなし 5

 古代ギリシャでシュンポリオンとという、ある種サロン的な私宴(酒宴)空間が誕生したという事を以前書きました・・・。其処ではワインを水で薄めて飲んでいた、等々。
 その古代ギリシャでの飲酒文化でもう一つ気になるのが、デュオニュソス祭。

 


 酒・豊穣・再生の神デュオニューソスの名を冠された祭。
 ・デュオニューソスはローマ神話では酒の神バッカス(バッコス)となり、祭もバッカス祭(Bacchanalia=バカナリヤ)と成る訳ですから、やはり気に成ります。

 また古代ギリシャと言えば、もう一つ。「(直接制)民主主義」の嚆矢という印象も強いのです・・・。

 この民主政治が成立してくるのはペルシア戦争(bc500~bc449)の勝利・終結を期にと言われます(それ以前は貴族政治での統治)。
 因みにホメーロスは貴族政治の時代の人。ソクラテスやプラトンは民主制の頃の人間です・・・。

 閑話休題、デュオニュソス祭。紀元前6世紀頃に(詰まりは民主制に伴い)始まり、5月頃に野外劇場で悲喜劇を上演、肉を食し、ワイン(酒)を痛飲し、観る、語る・・・・。

 こうした場では、ワインを水で薄めて飲むといった上品な作法は行われていない訳で・・・。
 悲喜劇という人間の感情の部分に直接コミットする物を観、濃い酒を飲み、人間の本質、本能的部分を開放するといった催しであった様に思えます。
 言い換えれば、日常的(ケ)飲酒のシュンポリオン、非日常的(ハレ)飲酒のデュオニュソス祭。

 またこの辺りの飲酒に関してはプラトンの「饗宴」や、その後進のプルタルコスの「食卓歓談集」辺りに色々書かれていたり・・・・。
 その辺りの事を想いつつ「饗宴」や「食卓歓談集」に登場する飲酒の話等に触れますと、
 「”美味い”と言うのは”甘い”とは違う」という言葉があったり。「ワインは濾したりせず大甕から直接飲むむべきだ」何て言葉があったり・・・。


 民主制成立以降、ワインを薄めずに飲む事も増えていたり、グルメ嗜好的になっていたり、ワインの貯蔵法が確立しつつあったり・・・・。そんな事が伺えて興味深いと同時に、ある種現代との類似を想わされます・・・。
 (推察するに、歴史の経過(民主制)とともに飲み方が荒っぽくなっている様です。)

 また、西洋史学が古代ギリシャを西洋文明の基とする事もわかる様な気がします。


 また私などは飲酒のあり方等や、その行く末に対する杞憂の様な事も想わされたり・・・。
 このギリシャの民主制ですが、結局、扇動と衆愚に拠り僅か100年程度で滅んでしまうのです。
 (戦後の我が国、矢鱈と民主制絶対論的風潮ですが、このギリシャの末路を想うと・・・) 

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