2012/11
25
[ #442 ]

中国の酒のはなし

 前回、日本の酒の嚆矢に付いて色々と下らない事を書きましたが、アジア周辺の酒となるとやはり中国の酒に付いても考えてみたく成る訳でして・・・。


 中国周辺でも初めに人類が口にした酒は果実の醸造酒(ワイン)で有ろうと考えられる訳ですが、それほど定着した感は無いですよね・・・。
 時期や場所に拠り飲まれたり珍重されたりという歴史は有る様ですが、少なくとも近現代その印象は無いです(尤も、最近ではかなりの量生産もされ、ニューワールドのワインの一つとして市場にも出回り始めている様子です・・・)(しかし、中国のワインをニューワールドとするのは語感として面白いですね)。


 その後、古い時代から中国で飲まれていたのは、恐らく穀物(雑穀)を原料とする醸造酒。
 となるとビールですか?と成りそうですが・・・。一寸違うようです。

 メソポタミアやエジプトで古くから飲まれていたビールは、麦を麦芽とし糖化し(麦角菌を使い)発酵させた物。それに対し中国古代の酒は、キビや粟を麹を使い糖化し造られた物であるという事。

 では、中国で文明が何時頃からどの辺りで起こったか?
 そうした事とそうした酒の誕生はほぼイコールでしょう・・・。


 一般的に言われるのは殷(商)の時代。(夏という説も有るでしょうが)
 地域としては黄河流域。言ってみれば、北の地域。
 そして北の地域故、南方系植物の稲では無く、キビ等。(麦の栽培に関しては、かなり歴史が下るようで)


 そして、麹菌の利用。
 実はこの麹の利用がアジアの穀物酒の特徴と思えるのです・・・。

 何故そうなったのか?


 やはり、環境なのでしょうね。

 料理全般にも言える事だと思えるのですが。

 例えば我が国は、他国に比べ水に恵まれた国、質量共にですよね。それ故煮るという調理法が発達し易かった、或は出汁を取るとか。

 それに比し中東~西洋ではそれほど水が豊富でない。故にオーブンが発達する。或は油(オリーブオイル等)を使う調理法が発達する。

 で中国ですが、ここは他と比べ”蒸す”という調理法が主流だったと想像出来るという事。

 勿論現在の中華の調理法、多岐に亘っていると思えますが、やはり他地域に比べ”蒸す”という調理法の比重が多い気がするのです。


 そして麹菌(黴類全般)は蒸した穀物で繁殖しやすい。
 日本酒だって米を蒸し麹菌を使いますし、蒸して搗いたお餅って黴易いですよね。

 この麹の利用こそが東アジア文化圏の酒(他の保存食も含め)の特徴だと想えるのです。

 そしてそのルーツは古代の黄河流域であろうという事。

 そんな事を想います。
 

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