2012/12
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[ #446 ]

中国の酒のはなし 2

 前回、中国の酒は殷(或はその前の夏)の時代に黄河流域周辺で作られ始め、麹を利用して黍等を醸して造る物・・等と書きましたが・・・。
 

 
 その頃の酒、”酒”ではなく”チョウ”と言う漢字(出てきません)で表されて居た様で、また神事等ではそれにウコン等を加えた薬酒が使われていたとか。
 (我が国で正月等に飲む屠蘇もある種薬酒ですよね、共通性を感じます)

 では”酒”という字が充てられるようになるのは何時ごろかとなるのですが、どうも始皇帝の前の戦国時代の様。またそれは紹興酒(黄酒)が造られ始める時期と同様に思えます。
 (もしかすると酒とは米の酒、チョウは黍等の酒といった区別があったのかも知れません)

 と言いますかこの時期、流通や貨幣経済の発達もあり、越(揚子江周辺)等にも当時の中国(黄河)文明が
伝わったと考えるべきなのでしょう。


 で、紹興酒ですが・・・・・。


 若い頃、周りの年配者達が良く言っていたのは、紹興酒って美味しいの?とか、苦手だよね。あれって氷砂糖を入れて飲むものでしょ?。ロックで飲むと飲みやすいよね・・・・、等々。

 私自身それ程飲む機会も無く、また好んで飲むといった事も無かったです。
 正直にいえば、当時、若造であった私にはあまり美味しく思えなかったという事ですね。


 それが数年前、上海に一杯のみに言った折に現地の上海料理の店で出された紹興酒(確か15年物のぬる燗だったと記憶しています)。これが、良かったのです。
 上海料理を食しながらという事も有ったのでしょうが、素晴らしく美味しく感じました。

 また同時に想った事は、熟成系のシェリーや、日本酒の古酒の出来の良いものに似ているという事。同じ方向性にあるのでは無いのかという事。
 (そういえばシェリーというお酒も若い頃は余り美味しいとは想わなかった記憶が有ります。)

 
 これらの3つの酒に共通するのは、先ず熟成香(ヒネ香と呼ばれたりしますが)、そして甘味と酸味。
 それぞれがしっかりと存在するという事。
 そしてそれらは、若者からすると一寸飲み辛いと感じる物である可能性が高いのでは無いか?という事。

 言い換えれば”大人の味”なのかも知れません。


 現代のチェーンの居酒屋等では「このお酒、飲み易くって美味しい~」何て台詞が良く聞こえてきますが、現代以前、特にヨーロッパ等では、飲みやすい=美味しい、では無かった筈。
 我が国でも江戸時代の黄表紙等で、新酒と古酒の論争といった物も有りますし・・・。
 (最近はヨーロッパでも若者を中心に、ホワイトスピリッツをベースとした飲みやすい酒の消費が急速に伸びているようですが。)


 酒に限らず、近代以前、長い時間を掛けて熟成された物を良しとしていたと思えます。(例えば、職人の技術とか・・・) 
 また飲みやすい酒を大量に飲んで酔っ払うのでは無く、しっかりした味の酒をゆっくりと味わう、という事が良しとされていた様にも思えます。

 言い換えれば、熟成系の(醸造)酒は大人の味、大人の舌でこそ解る味で有ったのかも知れません。

 或いはヨーロッパや東洋の文化は大人の文化であり、現代(アメリカ)文明は子供っぽい物といった認識でも良いかも知れません。 


 
 何だか、相変わらず話が逸れてしまいましたが・・・、たまにはしっかりした紹興酒をゆったりと味わってみるのも、楽しいかも知れません。

 確かバカナリヤにも、1本だけですが紹興酒が転がって居た様な・・・。

 紹興酒
 
 ますた

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