2012/12
23
[ #449 ]

戯言 12月 今年読んだ本から

 今年もボチボチと本を読んで過ごした1年だった様に想います。年々、図書館、古本屋にお世話になる率が増える様です。

 その中から気になった本の事を・・・。



 死体に目が眩んで  独りファシズム


 先ずはこの2冊。

 ・「死体に目が眩んで」  釣崎清隆
 ・「独りファシズム」   響堂雪乃


 ”死体に目が眩んで”は本屋さんで衝動買い。
 別にグロテスクな物を見たかった訳ではないです。この世に死体カメラマンという職業が成立しているという事、また、その方の手記という事に興味を惹かれて衝動買いした本です。


 もう一冊の”独りファシズム”。
 数年前このブログを始めさせていただき、ブログを書く参考にと、たまに人様のブログを覗かせていただいたりする事も憶えましたが(其れまでは、ブログの何たるかさえ知りませんでした)、その中で非常に面白く読ませていただけるブログが有りまして・・・。今年の中頃そのブログが書籍化されると知り反射的に購入に至った本です。


 実はこの2冊。似た空気を感じさせて呉れる本です。

 内容もそうですが、その文章から立ち上る香りと言いますか(文体というのとは少し異なる気がします)、受ける印象が近いのです。

 こう書きますと誤解を受けそうですが・・・”パンク”な雰囲気と言いますか”ロック”な姿勢と言いますか・・・。
 無頼感の有る文章と言うべきかも知れません・・・。
 
 そういえば昔、無頼派って有ったよね・・・、織田作とか太宰とか・・・。と言われそうですが、それとも一寸異なる印象です。
 しいて挙げるなら、荷風とか安吾といった印象ですかね。

 どちらにしろ私好みの文章です。
 (”独りファシズム”の前書きの、”~~~~~独りファシズムを語りたい”の文節なんて嬉しくなります。)


 内容は、これまたある種、近似の方向性。

 其れは、大手のマスコミやマスメディアが取り上げない物事を観ようとする姿勢ですね。
 (死体写真なんて、TVや大手新聞にはまず登場しないですよね。現実に死体は存在しているにも関わらず・・・)
 
 結局、世に溢れる情報は何らかのフィルターが掛っている訳でして。(当然、このブログにも私という人間のフィルターが目一杯掛っている訳ですが)
 そこ(大手メディア)のフィルターでオミットされる様な現実を見てやろうといった内容です。

 その分、それなりの覚悟も要求される本とも思えます(し、私好みです)。

 何はとまれ、今年購入した本からの2冊です。



 1月にもこんな内容で書きましたが、その時もノンフィクション系2冊だったと記憶してます。
 フィクション(小説)の類は読まないのか?とも言われそうですが・・・。

 基本的に活字なら何でも読みます(ビジネス書以外)。唯小説の類は、図書館や古本屋に頼る事が多く、中途半端に古い本ばかり読んでいるといった現状です。(本に古い・新しいは余り関係無いと想いますが)


 しいて挙げればこの2冊

 苦役列車  汐のなごり

 ・「苦役列車」  西村健太
 ・「汐のなごり」 北重人



 ”苦役列車”は、あるお客様が「読んでみれば」と下さった本。144回の芥川賞の受賞作という事でそれなりに知名度も有りそうです・・・。


 読んだ印象は、兎に角、異様な迫力の有る小説。
 これですね。

 ”苦役列車”というタイトルからしますと、一寸リバイバル気味の”プロレタリア文学”なんて言葉が浮かびそうですが、そんな言葉が逃げ出しそうな迫力を感じます。
 ジャンルとしては、典型的”私小説”。

 私小説というと、あの日本人好みのとか、大正頃に流行った、例えば太宰とか・・・なんて言葉が聞こえそうですが・・・・。

 当時、明治後半~昭和前期の私小説を東大文学部卒の私小説とすると、この本は中卒の私小説ですかね。
 その所為か?下手をすると読者に不快感を与えかねない独特の迫力を有すとも思えます。


 もう一冊の”汐のなごり”は、しっとりとした印象の時代小説。(図書館本です)

 作者の出身地(山形県酒田市)の所為かも知れませんが、しっとりした印象です。舞台設定が江戸期、日本海側の河口に栄えた港町というのも私好み。

 最近、時代小説等も(一般の小説も)女性作家の活躍ばかりが目に付く気がしますが、今年はこの2冊の男性作家の本が個人的には印象に残りました。(共に数年前の本ですが)


 今年も残すところ僅かですが、来年も興味深い本に出会いたい物です・・・。

 

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