2009/06
03
[ #50 ]

 雑考 12 林檎

 林檎と言われて先ず想い付くのは、やはり、アダムとイブですかね。
 イブが誘惑に負けて口にする禁断の果実、苦悩の始まりの果実・・・。



 そのイメージの基は恐らくギリシャ神話の”イーリアス”のアフロディテの黄金のリンゴ辺りなのでしょうが、イブが食べる事により更にイメージが強調された気がします。


 第一に性行為、性的快感のイメージ。リンゴを縦に割った時の姿であったり、アフロディテに起因するもの。 
 次に貨幣、金のイメージ。当時の地中海圏でリンゴが非常に高価で有った事から来るもの。
 そして、知恵、文明のイメージ。


 イブの食べるリンゴにはこれらの暗喩が有るのでしょう。
 女性を狂わせ、世の中を堕落、混乱させる・・・。性、金、知恵の暗喩。
 あまり突き詰めると女性陣から反発されそうで怖いですが、非常に興味深い事と想います。



 話は変わって、我々バーの世界では、リンゴと言うとやはり”シードル”、”カルバドス”が思い浮びます。(他にも有りはしますが・・・)

 しかし、シードルもカルバドスも30年位前までは、ノルマンディー地方の変わった地酒で、コニャック、シャンパ-ニュ等に比べると格下の酒、ある種、際物と見られていた気がします。
 ”ジョルジュ=シムノン”の小説など読むと、そういう気がしてなりません。


 これは、カルバドスに限った事では無く、蒸留酒の最高峰はコニャックであるといった意識が当時までは強かったという事でしょう。

 19世紀初頭頃から、グルメ或いはグルマンと言われる人々、或いは動きが活発化し、最高の味、絶対的美味しさを追求していった訳ですが、それが辿り着いたのがフレンチであり、シャンパーニュであり、コニャックとされたのでしょう(もちろん異論も有るでしょうが)。



 しかし戦後、その考え方が少しずつ変わって来た気がします。


 理由は色々有ると思いますが(流通の発達、情報の氾濫、社会の安定、個人主義・・・)、完成された味(調和のとれた)と共に、それぞれの味の個性を楽しめる時代に変わって来たと思います。
 拙店で良く出るウイスキーもそうで、長熟のブレンデッドからシングルモルトへの移行が生まれた気がします。


 グレンフィディックが発売されたのが1963年、ジェームス・ボンドがシングルモルトを映画で初めてオーダーしたのが69年。我が国でもバブルと共にモルトブームが始まりました。また、地酒ブーム、焼酎ブームも・・・。



 しかし話は変わりますが、このブームって言葉、如何な物か・・・。メディアが作るのでしょうが・・・。シングルモルトが焼酎ブームの二の舞にならない事を祈ります。


 色々、まとまりの無い事を書き殴りました、限が無いのでこの辺りで・・・。

 そして、拙店も少しですがカルバドス置いてあります。気が向けばその個性的な味、楽しんでみて下さい。話の続きはその時にでも・・・。

   ますた
 

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