2013/10
24
[ #549 ]

ウオッカのはなし 2

 ウオッカのはなしの続き。

 そもそもウオッカの定義とは?何て事も考えたくなります。


 「穀物を麦芽で糖化・発酵させた後、連続式蒸留器でアルコール度数85%以上に蒸溜、それを白樺活性炭等でゆっくりと濾過した物・・・。」というのが一般的定義。
 しかしここ数年フランス辺りから、例えば「グレイグース」といった単式蒸留&無濾過といった商品で有ったり、

 グレイ グース


 或いは「シロック」というブドウ原料の商品が、ウオッカとして発売されています。

 これらの商品、ウオッカの定義から外れているのでは?等という疑問が当然出てきておかしく無い訳です。
 又ロシアやその周辺諸国では・・・、有名なところではズブロッカの様にフレーバーの付いた物や、更にいえばベリーのリキュールの様な物。はたまたオールドウオッカと言われる様な樽熟を経た物まで”ウオッカの名で売られていたり・・。

 ズブロッカ他


 これはどういった事なのか?


 いくつか考え方は有ると想えますが・・・。実は酒の定義、各国の酒税の都合に拠ってそれぞれの国で決められているという事がまず一つ。

 更にいえばはじめに書いたウオッカの定義(穀物原料~連続式蒸留~活性炭濾過・・・)。
 これは言い換えれば、英米基準。あるいは、国際基準・グローバル基準。それが出来る以前から有る酒であったり、またそれを飲んでいた国の基準ではそれと異なった物も多い、という事。

 実際に連続式蒸留器が発明されるのが1830年前後、活性炭濾過の効果が発見されるのも略同じ19世紀の始めですが、ロシア周辺でウオッカは遥昔の12世紀頃からは飲まれている訳でして、最初に書いたウオッカの定義は結局、英米基準で(近代になって)便宜的に作られた物でありそれが全てでは無いという事です。

 こうした事は、お酒に限らず多くの物事にも当てはまりそうです。

 多くの物事。グローバルな基準のみで図ると、結局は各国や各地の文化等が見え無くなります、或いは文化を破壊してしまう訳で・・・。まあ今話題のTPP何て物もそうした面が強そうです。



 何だか話がずれましたが、では古くからウオッカを飲んでいるロシア周辺でのウオッカの定義とはどんな物であったか?

 大雑把にいえば、”蒸留酒、及びそれから作られる酒(リキュール等)全般”、と考えて良いように思えます。
 ワイン・ビール・クワスといった以前から在る醸造酒以外の酒類といっても良いかも知れませんし、その中でロシア圏で作られる物と言っても良いかも知れません。
 (この醸造酒か蒸留酒かという区分け。実はロシアだけで無く、或いはそれ以上にヨーロッパでは重要である様に思えます。)
 
 そうして現代でもロシア(やソビエト)の影響の強かった国では、強い酒(蒸留酒&それから作られる酒)=ウオッカと呼んでいる様に思えます。


 例えばこれ、

 ネップ モイ

 ベトナムのお酒「ネップ モイ」(現地仕様)のラベルにも”VODKA”の文字が読み取れます。
 (ベトナム、ベトナム戦争等を通じソビエトとの関係は深かった訳で)
 (ソビエト=ロシアと安直に考えるのは問題がありますが・・・)

 またこうも言えるかも知れません、20世紀初頭のロシア革命をきっかけに多くのロシア人が米国等に亡命・移住し、ロシア以外でもウオッカと呼ばれる酒が多く作られる様になった。そして、現代的定義付けがされた・・・。


 お酒には古い歴史がありますので、現代的定義のみで一面的に判断は出来ないですね、という事です・・。

 

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