2014/04
23
[ #601 ]

リキュールのはなし 2

 前回、リキュールの嚆矢は中東辺りのラキ(ラク)辺りに見出せるのでは?等と書いたのですが、ではヨーロッパのリキュールはと言いますと・・・。

 

 一般的に言われるのは、リキュールの父と言われるアルノード=ヴィルヌーヴが13世紀に作り出した”リケファケル”と言われる薬酒がその嚆矢ということですが・・・。
 そして、この「リケファケル」という言葉が「リキュール」の基になったとも言われています。
 尤も他に「リクオール」(アラビア語で液体の意味とか)が基になったとか、「エリクシール」(錬金精液あるいは錬金術に於ける”精”)が基になったとの説もありまして・・・。

 元々、リキュールを造る時に使われる蒸留酒、あるいは蒸留技術自体が錬金術師の発明とも言われていますので、やはりこの”錬金術”とか”錬金術師”というものは気になるのです。

 では具体的に錬金術師とは何なのか?あるいはその定義・イメージは?と言われても、現実に西洋文化に生きていない我々日本人としては、今ひとつピンと来ないといいますか、よく解らないといいますか・・・。


 そういえば昔、「ヴィドック」というホラーミステリータッチのフランス映画を観に行った事があるのですが、ホラーとうっていたわりには余り怖くなかったという記憶がありまして・・・。
 実はこの映画の犯人は錬金術師(の末裔)という設定(ヴィドックが探偵役)だったのですが、錬金術師に文化的に馴染みの無い私には怖く感じれなかったのですよね・・・・。
 因みにこの”ヴィドック”氏、19世紀にパリに実在した怪盗(後に警察署長~私立探偵)がモデルと言われ、またそのヴィドック氏は”レ・ミゼラブル”のジャン・バル・ジャンのモデルとも言われていたり・・・・(一寸見直してみたい映画ではあります)。


 閑話休題、では錬金術師とはどのような位置付けなのか・・・?ということで、錬金術師に付いて回るイメージと言いますか側面と言いますかを、思いつくまま羅列してみますと。

 ・贋金造り師 ・魔術師 ・科学者 ・薬剤師 ・占星術師 ・化学者 ・医師 ・占い師 ・預言者 ・研究者 ・技術者 ・祈祷師 ・反キリスト教者 ・手品師 ・スコラ学者 ・超能力者 ・・・。

 等々。
 こんな感じですか。全体的になんとなく怪しいイメージが付いて回ります。
 
 しかし考えますと当時(12世紀~16世紀頃?)に、例えば科学実験の実演(例えばTV等でデンジロウさんの行う実験の様なもの・・・)を見せ付けられた庶民は、やはり魔術とか手品とかと怪しいとか想ったでしょうし・・・。


 9世紀に神聖ローマ帝国が誕生し、その後、それまで禁忌していた科学や科学等を再び取り入れる動きを始めるのですが、またそうした考え等をスコラ学とも言いますが、このスコラ学、科学を志向すると同時に神秘主義にも向かった面が強く、ある種その両面を体現していた人々とも言えそうです・・・。

 そしてまた、そのある種の怪しさ故にキリスト教からは否定的扱いを受けていたのも事実でしょう。


 唯後に、彼らの造るリキュール(薬酒)の効果やその知識等を頼る権力者も増加し・・・。
 例えばアルノード=ヴィルヌーヴも教皇の医師でしたし。予言で有名なノストラダムス(私は彼など錬金術師のイメージで観るのですが・・・)もアンリ2世と繋がっていたり・・・・。(まあ権力者に預言者や占い師、医者ってつき物の気もしますよね・・・)

 更に、13世紀のペストの流行時にリキュールの薬効が評価され、徐々に教会等でも造られ始め・・・・。

 そうして16世紀、近代の始まりと共に錬金術師も社会に認められ、(科・化・医)学者といった存在になっていく。
 (ニュートン等はその典型とも思えたりします、結構神秘主義にも傾倒していたとか?)


 といいますか、(ある面)ルネッサンス~近代の幕開けといった時代の変化の影の主役は実はこの辺り(錬金術師、スコラ学・・・)、に有りそうにも思えるのですよね。


 相変わらず酒の話では無いですね・・・。

 

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