2014/05
30
[ #613 ]

リキュールのはなし 3 

 教会からは否定的な扱いを受けていたリキュール(や蒸留酒)、次第に社会に普及し始め、近代の夜明けと共に教会もその存在を認めざるを得なくなり、その後急速に普及し始めるのですが・・。
 では近代の夜明けとは何なのか?

 昔、世界史の教科書では中世から近代の境目を1492年に設定してあった筈。
 ではこの1492に何が起きたのか?

 当時教えられたのは”コロンブスの新大陸到達(発見?侵略?)。そして大航海時代の始まり。
 確かにそうなのですが、もっと重要なのが(スペイン)異端審問の本格的な開始。
 1479年スペイン王国の成立を経て、1492年1月のグラナダ陥落でレコンキスタが完遂、そして異端審問のユダヤ追放の開始。(確か期限は7月末までだったかな?)(そうなるとコロンブスの8月頭の出航は・・・・)

 閑話休題、これによりマラーノとかコンベルソと呼ばれた人々がスペイン等南ヨーロッパのカトリックの支配地域から大量に逃げ出し始めるのですね。
 恐らく最も多かったのは、当時スペインの支配下にあったネーデルランド(現ベネルクス3国)、他、商工業金融業の中心ベネチア、更にそこを経由して東ヨーロッパへ・・・。また、海を渡ってイギリスへも・・・・。

 そしてネーデルランド周辺の北ヨーロッパで金融・海運・商工業を始める。
 そこで生まれたのが、世界初のリキュール製造会社、

 bols.jpg

 ボルス社です。(エチケットに1575年の文字が・・・)


 このボルス社の誕生により、リキュールがヨーロッパに広まり始め、カトリック教会もリキュールを認めざるを得なくなった面も強いのでしょう。
 因みにボルス社、後にオランダジン(ジュネヴァ)も製造販売する訳ですから、スピリッツの普及にも影響を及ぼしていると言えそうです。

 そうお酒(洋酒)の世界でも1492年は重要な転換点なのです。
  


 
  

 追記

 この異端審問、中々語りにくいテーマですが、これが世界に与えた影響は大きくそれは近代の成立~現代にも繋がっていそうです。

 異端審問が良いか?悪いか?という話にすると面倒くさいのですが・・・。カトリックから観ればレコンキスタ等で儲けて存在感をましたモリコスやコンベルソ(マラーノ、改宗ユダヤ教徒)、”利子を取って金貸しをしてはいけない、個人が必要以上の蓄財をしてはいけない”というキリスト教の教義に反する異端者であるから審問すべきとなるのでしょうし・・・。
 審問される彼らからすれば、王室等が借金を棒引きにする為や、財産を没収する為に始めた事だろう・・・。と、いう事に成るでしょうしね・・・。

 唯、これが切っ掛けとなり、反カトリック運動=プロテスタント運動が始まり・・・(例えば、ルターの論題は1517年、農民戦争1524~、オランダ独立戦争1568~、アルマダ戦争1588、30年戦争1618~・・・・)、イエズス会等も出来、更には魔女狩りなんて言葉も・・・・。

 そしてボルス社はこのオランダ独立戦争(オレンジ公ウイリアム)の時代に創業されている訳で・・・。
 当然ながら、酒も歴史の一部という事なのですよね・・・。

   

スポンサーサイト

Copyright © ますた [バーテンダーと呼ばれる程のバカは無し] All rights reserved.

COMMENT:

SECRET: (管理者だけに表示を許可する場合)
 
トラックバックURL :