2015/02
01
[ #688 ]

昨年読んだ本から・・・

 作年読んだ本から印象に残った物を何冊か・・・。
 とは言いましても相変わらず図書館や古本屋等がメインなので中途半端に古い物ばかりなのですが・・・。


 先ず一冊目。


  池田晶子


 「知ることより考えること」   池田晶子
  


 2007年になくなられた著者のエッセイ集なのですが、この著者の作品は以前にもアップした記憶があります。
 好みなのですよね。

 著者の池田晶子氏、以前は哲学者と紹介される事が多かった気もしますが(”14歳からの哲学”なんて作品が著名ですし・・・・)、何時頃からか肩書きが文筆業となっております。
 そのあたりの意味も推察できそうな内容です。

 閑話休題”哲学”という言葉は恐らく明治初期に造られた新語なのでしょうが、この哲学と言う言葉には難しいという印象が付いて廻っている気がします。また、哲学=哲学史を学ぶ事、或いは過去の著名な哲学者の思想を学ぶ事・・・となってしまっているのでは?とも想える面も・・・。
 一方そこでこの本ですが、自分の頭で考える行為=それ自体が哲学であり、それだけで良いのでは? といったことが書かれている様にに思えます。

 何といいますか、我が意を得たりといった内容(感想)。
 普段私が考えている様な事を見事に文章化して下さっているといいますか・・・。

 こう書きますと、「何しょってんの?」 と突っ込まれたりしそうですが・・・・。

 本文に確かこの様な話が書かれていました、
 ”ある哲学者が1人が農夫にソクラテスの本を、「素晴らしい事が書かれている本だから読んでみなさい」と貸し与え・・・。その後に農夫に読後感を尋ねますと・・・、農夫曰く 「普段自分自身が考えている事が書いてあるだけだった・・・・」と・・・・。”
 とまあ、そんな意味です。

 実は哲学(考えるという)行為はそんなに難しい事ではなく、ある程度言葉を操る事が出切れば誰でも自らの脳みそ一つで出来る行為であると・・・・。そしてそれが大事な事では無いのか?という内容で、またそこに首肯する私なのです・・・・。


 最近はマスコミやネット等が発達し多くの情報が流布されています。得ようと思えばいくらでも(点の)情報は得られる時代。しかしいくらそうした点の情報を漁り、知り、覚えたとしてもそれだけでは良い事にならない様にも思えます。

 それよりもたとえ得た情報は少なくとも、それらを基にしっかりと考える事。それが重要に思えます。
 知ること(情報を集めること、覚えること)は考えるための手段、前段階でしか無いのでは?と(まあ、馬鹿な考え休むに似たりという言い方も有りはしますが・・・・笑 )・・・。

 そんな本です。
 情報の氾濫する今の時代だからこそ勧めてみたくなる本です。


 おまけにもう一つ、恐らく作者の池田晶子氏は酒飲み(のん兵衛)では無いかとも思え・・・。そんな雰囲気も楽しい本でした。





 またこれも好みに合致した本でした。

  宮本常一

 「なつかしい話」 -歴史と風土の民俗学ー  宮本常一


 
 2007年に出版された、氏の(名)対談集です。

 氏の著作は昔から好きなのですが、この対談形式というのが嬉しい本です。
 バーという空間はカウンター越しに会話する空間ともいえそうで・・・・。そうした故かこうした会(対)話形式の物に惹かれる面があるのです。
 また、氏は山口の周防大島出身の民俗学者、その辺りも相性が良い理由かも知れません。

 TPPなんて物も成立しそうで、今一度この”くに”という物のかたちや風土、歴史、文化といった物を考えても良いのかな?と思える気もします。そうした今という時代に読めて良かったと思えますし、またそうした事を抜きにして面白い本でした。




 ついでにもう一冊、

 水沢龍樹

 日本のまつろわぬ民  -漂泊する産鉄民の残痕ー  水澤龍樹


 何だか”いかにも”といった書名・・・、百鬼丸氏の描かれた装画も”いかにも”ですしね・・・・笑 。
 ”あ~~、その手の本ですね・・・・”。なんて言われそうなタイトルですよね。

 そうした先入観も少々で読んでみたのですが、これが面白かったのです。
 兎に角、著者の博覧振りに楽しませてもらえます。
 何でもかんでも産鉄民とこじつけるのは如何なものか?という意見も出そうですが、まあそうした視点(コンセプト)で著された本ですしに・・・。それに正史だって、現在(当時)の社会風潮や学問(或いは勝者)の視点のみで書かれたに過ぎないともいえる訳ですから・・・。
 特に中国地方は”たたら製鉄”等の産鉄民の存在の色濃い地域、やはり興味を惹かれる物が有るのです。
 また一つ歴史に対しての新たな視点といいますか切り口といいますか、教えてもらった気がします。まあそれを言わなくても単に読み物としても面白かった本です。



 フィクション(小説)は?といいますと・・・、
 何だか最近当たりが少なく・・・・。


 強いて揚げればここ数年この作者が少々お気に入り。

  田中啓文

 田中敬文です。

 作品全てが好みという訳では無いのですが、その適度に洒落と毒気の効いた文章は流石関西といいますか、平成の筒井康孝と呼びたい印象(失礼、筒井氏まだ現役ですよね・・・)。
 基本的にミステリー作家さんなのでしょうが、そのテーマが ・古代史・ジャズ・江戸・SF・上方落語・・・・・と幅広く、時にはエログロもありで・・・・・。

 
  
 とまあ、相変わらずな本ばかり読んでいる気もします。
 しかしやはり本を読む行為は愉しいですし、職業柄、必須ともいえそうですしね・・・。
 今年もボチボチと読んでいければと思っております。

 ますた

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