2015/02
09
[ #690 ]

ブランデーのはなし 3

 前回、所謂ブランデー=グレープ・ブランデーは17世紀頃にオランダの貿易商主導で造られた・・・・なんて話を書きましたが、では葡萄以外のブランデー(フルーツ・ブランデー)はといいますと・・・・。
 

 
 フルーツ・ブランデーは葡萄以外の果物原料で造られた蒸留酒の総称ですが、一般には透明な物が多いのです。特にドイツやフランス周辺で造られる物。
 ドイツでは”~~ヴァッサー(~~ヴィルネというタイプも・・・)”と呼ばれ、フランスでは”オー・ド・ヴィー~~”と呼ばれます。 とはいってもフランスでも主として造られるのはアルザス辺りなのでやはりドイツ文化圏の物とも言えそうです(他スイス等)。

 オー・ド・ヴィー・ド・フランボワーズ  これはオー・ド・ヴィー・ド・フランボワーズ

 キルシュ  こちらはキルシュ。少々糖分添加でリキュール規格にして在りますので、キルシュ・リコールと記して在ります。糖分が無いとキルシュ・ヴァッサー

 
 ではこうしたお酒はどうやって造られ販売される様に為ったのか?
 

 元来こうしたドイツ圏等の中北部ヨーロッパは結構寒いのですよね、故に亜熱帯系の果物である葡萄は造り辛い。
 実際中世の頃には北部ヨーロッパでは殆ど葡萄は造らていれない。
 その代りに他の果物が食生活に馴染んでいた訳で、たとえばドイツ等で中心的なのはリンゴ、他に洋ナシやカリン、プラム、各種のベリー類。
 
 故にヨーロッパ各地で行われる中世祭り等では、このリンゴやそれを絞ったリンゴのジュースが付き物であったりもします。
 こうした果物はビタミン類の補給にも重要でしたでしょうし、それ以上に自然の恵みを実感させられる存在として祭り等では象徴的に扱われるのでしょう・・・・。

 そして当時の中北部ヨーロッパではこうした果物を各家庭で収穫貯蔵し、場合によってはジュースとし、或いはそれを発酵させ・・・・といった事が当たり前に行われていた様です(こうした果実やそのジュース、割と簡単に発酵しアルコールを生成するのですよね)。


 その後18世紀頃(?)に為りますと、そうした一寸した家庭に簡易な蒸留器が置かれる様な状況が生まれて来ます。

 その結果、そうした家では自家製のジュースを発酵させた酒を蒸留しホワイトブランデーを造る様になる。
 基本的には自家消費、或いは村内消費用ですので、そんなに多量に造る訳でも無いですし輸出する訳でも無いですから樽に入れる事も無い訳でして・・・・。
 故に透明なまま・・・・。

 また以前アマレットの時にも書きましたが、村で中心的な家、これが庄屋や雑貨屋、宿屋等も兼ね、たまに宿泊者や旅の人たちにそうした酒を振舞ったりと・・・・・。
 その後、評判の良かった物が流通にのる様になり、メーカーとなり・・・・。
 
 そうした経緯、その形を受け継いでいる故に透明のままと言えそうです。


 もっとも東欧辺りでは、透明な物と同時に樽で寝かせた物も在りますが・・・。   
 例えばルーマニアで、カリン等から造られた透明な物=ツイカ。プラムから造られ寝かした物=パリンカ。 等々・・・・。

  ツイカ&パリンカ

 また、ブルガリアでは”ラキア”と呼ばれ祭りの時等に回し飲みされるとか・・・・。
 (何だか、泡盛や焼酎を連想しますね・・・・)

 更に透明なグラッパに対するマールなんて物も・・・・。

 恐らくこの辺り、西欧の流通(海運)圏・文化圏から少し離れている故に独自の発達(あるいは文化圏)となっているのではと思われます。


 相変わらずの言いたい放題ですな・・・。

  

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