2015/09
18
[ #753 ]

ワインのはなし 10

 世界史の中に於いて重要な転換点(出来事)というものが幾つか有りそうですが、フランス革命もその代表的な物の一つに想えます。そして、当然のことながら、それはお酒に対しても色々の影響を与える訳でして・・・・。
 

 
 といいますか、フランス革命の場合、スタートからある種ワインが関っているといえそうな気もします。

 それは・・・・、
 著名な1789年7月14日のバスティーユの監獄の襲撃、この確か2日程前にパリの税関所の焼き討ちという事件が起こるのです。


 当時、といいますか、中世からフランス革命の頃までのヨーロッパ、ある種都市国家の集合体といえる面もありそうで(我が国の幕藩政にも近いか?)、各都市は税関を設けて都市に流入するワイン等から関税を徴収していた訳です。(まあ、経済的にみれば税関(関税)こそが国境とも言える訳で・・・・・。)
 で、フランスの首都的都市のパリもしっかりと関税をとっていた訳です。
 またワインに関しては、量に対して一定量の税を掛けていたのですが、これをすると安ワインですと売値に占める税金の割合が高くなる訳でして・・・・・(例えばワイン一本に対し\1000の税金を掛けたとしますと、\500のワインは\1500に、\10000のワインは\11000に・・・)。結局、安いワインしか飲めない低所得者は辛く感じると言う事に成り易いのですね。実際、パリ市内と市外では、安ワインの値段が3倍違ったとか違わなかったとか。

 更に、パリの税関所を担当していた役人が自分の出身地のワインのみ税関を通さずパリ市内に入れていたなんて噂もあったり・・・・(当然、その地のワインは良く売れるし利益率も上がるでしょうから・・・・)


 そんな状況において、7月11日の深夜に二人のゴロツキ(やくざ者)がパリの税関所に火を付け、それがバスティーユの襲撃にも繋がって行くのです。(まあ、穿った見方をすれば、やくざ者が火を付ける・・・・なんて裏も有りそうな気もしますが  笑 )


 

 そして、革命成立後は各ワイン産地やワイン畑にも色々の変化・影響が出るわけでして。

 例えばブルゴーニュのワイン畑、革命以前は修道院や王侯貴族の所有だった物が、新政府が没収、商人等にばら売りされる訳です。

 例えば、映画「バベットの晩餐会」にも登場するクロ・ヴァージョの畑もばらばらに切り売りされる訳です。
 (このクロ・ヴァージョというワイン、革命以前フランス社交界・飲食界ではロマネ・コンティと並び証された物、その辺りの設定も含めこの”バベットの晩餐会”という映画、面白いのです)





 追記

 フランス革命に拠りフランス各地のワイン畑が、民間(商工金融業者が主かな?)にばら売りされた訳で、結果として現在われわれ庶民でも金を出せばそうした色々の名ワインを飲める様になった訳です。
 
 ただ、”だから良いんじゃない”とは簡単にいえない気もするのです。
 

 このフランス革命(アメリカ独立も含め)が中世から近代への転換点とも言えそうですし、確か昔、世界史の授業などで、フランス革命=善(正しい事)といった方向性で教えられた記憶が有るのですが、実はそんなに簡単な話ではなさそうで。

 例えば、革命後の恐怖政治(実はテロリズムの語源はこの辺りに有りそうですが・・・)等の事もありますしね。


 まあ、それも含めお酒と歴史の関係って興味深いと想えます。

 ますた

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