2015/10
30
[ #768 ]

アメリカの酒のはなし 2

 米国を代表する酒の一つがバーボンウイスキーであることは恐らく議論を待たないとは想われますが、その辺り事を少々妄想を広げつつ・・・・。

 米国が英国との武力衝突(独立戦争)の最中に独立宣言を発したのが確か1776年、この年がアメリカ建国の年となっている訳ですが、実はその後も戦いは行われていて、その折、フランス(ブルボン家)やスペインの援助もあり1783年英国からの独立を勝ち取るわけです・・・・。

 で、米国政府は何をしたかたといいますと・・・・。



 1791年に酒税を導入する訳です。


 どうも近代政府(国家)という物、酒税を取りたがる存在のようで・・・・ (笑) 。
 英国も1707年のスコットランド併合(大英帝国の誕生)の直後からウイスキーに重税を掛けたり、ジンに税金を掛けたり・・・・、ですし。わが国も明治維新後の明治政府は酒税の導入を行っていますしね・・・・・。



 その米国における酒税法が生産者にとって結構な重税感が有り酒造業者は反発する訳です。

 そして、1794年に暴動が発生する。
 (そういえば英国でもエジンバラの暴動なんて物もありましたし、わが国でも規模はそれほどでも無かったかもしれませんが、どぶろく争議なんて物が起ったり・・・・)


 そこで、米国政府(ワシントン)はどうしたか?というと、独立戦争以上の戦力を投入し鎮圧する訳です。
 まあ、それほど酒税が必要だったと同時に政府に対する反乱をおさえ新政府の権威を保ちたい面が強かったのでしょう。

 実際、その暴動の逮捕者性質は特赦という形で罪に問われる事は無く、政府の信頼は高まる筈であったのですが・・・。


 唯この酒税法、生産者の仕入れや出荷等を透明化する面もあり、また当時の蒸留酒は貨幣(の前駆的存在)としても意味も持っていたので、各々のプライバシーを裸にされ管理される事を嫌った生産者達は、それまで酒造の中心地であり暴動の中心地でもあったペンシルバニア西部から逃げ出し、より西にあり水の良いケンタッキー州(バーボンタウン)でウイスキー造りを始める訳です。
 そしてそのウイスキー製造が軌道に乗り生産量が増えるにつれ、原料となる(ライ)麦の不足に直面し、当時、周辺で栽培量が増加していた玉蜀黍を原材料に加えることとなるのですが、これが米国人の口に合ったと同時に南北戦争の英雄グラント将軍が愛飲した等との話(宣伝?)も拡がり、米国産高級ウイスキーとしての地位を確立、現代に至ると・・・・。

 唯、勿論、ケンタッキー以外でもウイスキー造りを行った業者は当然存在した訳で、例えばテネシー州のジャック=ダニエル等著名ですが・・・・、それ以外でもかなり多くの密造業者が存在したと想われます(いわれております)。ムーン・シャイナーと呼ばれるやつですね。
 この辺り、イングランドの監視のきついローランドから逃げ、スコットランド北部でウイスキー造りをしたり、スペイ川流域の渓谷で密造に励んだスコットランドの業者との共通性を感じますね。

 スコッチもバーボンも実は密造酒としての歴史があり、またそれが”自由”というイメージをも内包している様にも思えるのです。




 追記

 こんな事を書きますと、密造=脱税に賛同するのか?といわれそうですが・・・・・。
 
 まあ、税の話って難しいのですよね。


 この米国の酒税導入にしてもそうですが、それまで酒造に税金は課かって無く自由に製造販売を行っていた訳で、それをいきなり(高い)税金を寄越せと政府に言われても、「一寸、待てよ・・・」と成るのは仕方ない気がしますし、また収入等のプライバシーも丸裸にしますといわれてもですよね・・・・。

 まあ、当時は酒税という物が色々の面で最も取り易い税金と想われていたのでしょう・・・・・。

 実際、20世紀初頭に置いて、米国の税収の最多は酒税ですし。英国でもそう。わが国も一時期そうだった筈です。

 
 しかし、何故近代政府はそのように高い税金を取りたがるのか・・・・。

 一つは戦費(軍事費)ですね。

 上の三つの国、戦争後とに酒税の税率を上げている印象が有ります(おおむね当たりでしょう・・・・)。


 しかし実際はそれも単なる理由付けかも知れません・・・・。


 (近代)政府という存在も、言ってみれば、一つの枠組み・組織。
 組織(枠組み)である以上、成立した時から、組織防衛、組織の勢力拡大に走る訳でしょうから。

 では政府?の勢力=権力とは何か・・・・?といえば、予算を配分(配る・付ける)力な訳でして・・・・。結局、(近代)政府という存在は放って置くと無制限に税金を集めようとする存在ともいえそうです(あるいは国債なんて物を使ってでも予算規模を拡大しようとする存在)。

 そして、18~20世紀前半は酒=アルコールがその最大ターゲットだった、という事なのでしょう。

 最近、消費税とかマイナンバーなんて話が矢鱈と耳に入る所為かこんな話になってしまいました。

 
 

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