2016/05
04
[ #822 ]

リキュールのはなし 7

 前回の続き、19世紀に多くの薬草系のリキュールが商品化され流行したという話。

 産業革命やフランス革命経て科学という物の力が社会に認知され、それらが生み出す物が人々に大きな力をもたらす時代風潮がその根底に在るのでは・・・?という事なのですが・・・・。各種の(科学的に造られる)薬品も当然そうした物の一つでしたでしょう。

 そうした薬に拠り、人々が所謂”不老不死”に近づけるという幻想を抱く事が出来たり。当時、科学文明の象徴ともいえる蒸気機関車のごとく疲れを知らずに働き続ける事が出来るという幻想も持てたりする時代で有ったともい得そうな気もします。

 またその延長線上に”ロボット”等という存在も在りそうで・・・・・。

 



 しかし考えてみれば、現代TVで盛んに広告されています健康食品とかサプリメントもそうした物の延長線上にもありそうですし、またスポーツ等で体を鍛えて能力を高めるとか、自動車やオートバイに乗ることに拠り、自らの運動能力を強大にするという事も、ある種同種の無意識の上にありそうにも思えます。

 兎にも角にも、個人の能力を科学の力に拠り強大に出来るという幻想、或いは風潮が強かった時代といいますか、あるいはそれ以降の近現代がそうした時代であるとも言えそうで・・・・・。


 そうした中で、肉体だけでなく精神の発揚にも効きそうなリキュールという物も流行した訳でして・・・・・。

 はい、アブサンですね。

 ランボーやアルトーといった詩人やゴッホやロートレック等の画家等、当時、多くの芸術家が耽溺したリキュールですね。

 
 この”アブサン”、諸説ありますが18世紀にスイス西部でアンリオ姉妹が造り出しと物を1792年、ピエール=オーディナーレという人が商品化、後、今のペルノー社の創始者である、アンリ=ルイ=ペルノーが1797年に大々的に売り出し、1820年代頃からパリ等で流行したといわれています。

 その後20世紀になり、世界各地で禁止されるようになり、ある種幻のリキュールとなっていたのですが、1973年、アブサンの主成分である”ツヨン”の食品や飲料ににおける含有基準が新たに制定され、2000年頃から再び商品として出回るようになり、現代では結構な種類が出回ってもいます。


 また、スイスにはアブサン特区なんて物も造られているとか・・・・・。
 そういえば、上記のアンリオ姉妹にしろ、ペルノー氏にしろ、スイスの方。また、前回記した、パラケルススという錬金術師?もそう。また、現代でも薬品産業や薬品の臨床試験でも著名な地。
 中々スイスって・・・・・。


 閑話休題、恐らく16世紀ころから、ある種の科学的なものがヨーロッパに浸透し始めるのですが、と同時に、魔術的なもの神秘主義的なものも流行した様にも思えるのですよね。

 そして19世紀辺りまでは、科学的なものに対し、人々はある種の魔術的な要素を感じる面もあったのではと思えるのです。

 (どちらも、人々に対し、大きな力を感じさせる物でしょうからね・・・・・・。)


 また、科学が力を発揮する中である種神秘(主義)的なもの精神的なものに惹かれていった面もあるのではと思えるのです。

 そしてアブサンは正にその象徴的存在であったのでは?とも。

 こんなポスターを観ると特にそう思われるのです。


 ポスター


 女性の側にいるのは錬金術師でしょうね・・・・・。


 

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