2016/09
15
[ #864 ]

東廓

 明けて月曜日、朝目覚めるとしっかり体内に酔いが宿ったままです。
 まあ、前夜の宴会、お酒の燗付けが間に合わない位のペースで燗徳利が空いておりましたし(今回もですか・・・!)、其処から更にバーホッパー(因みに私は4軒程・・・・・)。まあ、仕方ないですが、やはり歳は感じます。確か10年ほど前に初めて実施した京都では、昼から飲み続けた後~お座敷でも飲み倒し~更にバーを8軒回ってもそれほど二日酔い無かった記憶が有ったのですが・・・・。


 閑話休題、宿酔いを嘆いても仕方ないので、ホテルの朝食はしっかりと腹に収め、街歩きに出かけます(今回は連れ合いも含め4名での散策)。


 この日の目的地は東の茶屋街周辺。

 



 この辺りが恐らく入り口、その昔木戸が置かれた辺りですかね?


   東廓


 紅柄の壁と風にそよぐ柳が雰囲気です。


 此処で先ず向かったのは、国の文化財にも指定されております御茶屋建築、「志摩」様。続けてその斜め向かい、やはり保存されています御茶屋建築の「懐華楼」様。
 ハイ、完全に私の趣味(に他の方を付き合せている感じ?)です。


 しかし、この二つの建物の雰囲気の差異、興味深かったですね。

 共に基は文政3(1820)年に建てられたものでしょうが、志摩の方は其の当時の雰囲気を残しており(まあ、故に文化財指定なのでしょう)。懐華楼の方は、恐らくは御茶屋としての廃業時、昭和初期の雰囲気が色濃く出ている感じですね。

 そう、志摩は江戸末期の金沢の社交文化の中心であり、社交場であったお茶屋の雰囲気やありようが感じられます。
 全体的に抑え気味かつ繊細で風雅な空気ですかね。

 この中庭などいかにもですよね。

 志摩
 

 またここでもう一つ個人的に興味深かったのが此処。


 台所


 台所といいますか厨房といいますか。

 地域に拠りますが、お茶さんでは基本的にお客様向けの料理はしない訳で、お酒の燗付けと後、吸い物の出汁をひく位、で、こうした場所はこじんまり。

 これが料理を造れるしっかりした厨房&庭に本格的な茶室が付くと、所謂”揚屋”ですね(長崎ではこの呼称が逆の様です)。


 これに対し、懐華楼は、いかにも大正~昭和の雰囲気といいますか、謂わば、世間でイメージされるであろう所謂”遊郭”的雰囲気が漂っています。

 玄関を入ったところのたたきがこうですし。

 懐華楼



 其の先の大階段がこうですし。

 階段



 更に2階の大広間がこうですから。

 畳


 そう粋な志摩に艶っぽい懐華楼。
 あるいはお茶屋的志摩に妓楼的懐華楼。

 興味深かったです。


 
 そこから、この辺りの芸妓さんの信仰が厚いといわれる菅原神社に・・・・。
 此処の玉垣は・・・・。


 玉垣


 東廓事務所ときしてあります。

 現在は東茶屋街と呼ばれていますが、恐らく昭和の時代まではこの辺り東廓(ひがしのくるわ)と呼ばれていたはずでして、耳ざわりもそちらの方が良い気がしますし日本語としても・・・・・(で、私は東廓と書くわけですが)。


 この日は余り時間の余裕も無い&単独行動でも無い故、余り長居はせず、梅の橋まで坂を下り、此処から川沿いを中の橋まで散歩。


 浅野川を挟んで観る主計町の茶屋街が雰囲気です。


    主計町



 何といいますか、京都の木屋町辺りとも似た雰囲気ですかね・・・・。

 川沿い、柳。
 雰囲気ですね。


 ここから、券番事務所前~暗がり坂と歩き、今回の金沢の街歩き、個人的には終了。

 市場で軽く昼食&散策の後は帰るばかり・・・・・。
 やはり一泊二日では足りないですな、21世紀美術館も行けなかったですし・・・・・。

 まあ、また機会が有れば・・・・です。




 追記

 金沢の東西両廓。文政4年に成立する訳ですが・・・・、其の前は?なんて疑問もありそうです。

 個人的な見解では有るのですが、1620年辺りから、金沢の廓の成立する1820年頃迄の江戸の主要期、江戸(吉原)、大阪(新町)、京(島原)、長崎(丸山)といったところに(官許の)廓が有るわけですが、其処以外、殆どの城下町には公には廓はあまり存在しないのですよね(勿論例外も)。また、往時の黄表紙等にも「遊郭」の文字は殆ど見当たらない・・・・。

 また、我が国で娼妓さんの数が最も多かったのは、恐らく昭和初期。


 言ってみれば”遊郭”とは、明治~大正~戦前 といった時代の象徴ともいえそうです。

 江戸期は、廓とか茶屋(街)(あるいは遊所)・・・・。


 そんな事も考えた金沢でした。

 

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