2016/12
30
[ #896 ]

ワインのはなし 11

 今、海外、特にヨーロッパのそれなりワインを買いますと、AOCとかDOCGとかDOとか・・・、規格といいますか格付けがついてますよね。

 こうした格付けに関する法律、消費保護や公正な商取引等々の立場で行われているといった説明もされるのですが、ではこういった格付けは何時頃から始まったのか・・・?

 といいますと、恐らくは1855年のボルドーワインのそれが嚆矢ではないかと思われるのですよね。




 
 そう1855年に初めてボルドーワインの各付けが行われる訳ですが、これはやはり1855年に行われた第一回のパリ万博に向けて・・・・というのが大きな理由といえそうです。


 等といいますと、では何故?万博故に格付け?という疑問も出そうです。

 そう、一寸と考える分には万博と格付けって余り関係なさそうな気もするのですが・・・、まあ其のあたり・・・。


 1851年にロンドンで初めて開催された万博というシステム、特にその後粗11年ごとに行われたパリ万博、これは言ってみれば全ての文物をショービジネス、詰まりは見せ物の対象とするシステムであるともいえますし、全ても物を商品化するシステムとも言えそうで・・・・・。

 そうして其の中でボルドーのワインも一般消費者向けの商品としての位置づけが明確になる、あるいはそうしようとした、ということなのでしょう。


 革命以前のフランスのワイン、その多くは貴族に飲まれたり、或いは流通業者によってイギリス等に輸出されたり・・・・、という事が多かったのでしょうが、この万博を切欠に一般消費者向けの商品、或いは消費者の視点ということを意識したのでは・・・?ということです。


 そそて、一般消費者向けの商品として必要な要素・・・・。それは、先ずは解りやすさ、そして高級感・・・・といったところですかね。

 つまりはブランド商品化すること。


 例えば、昔の日本酒等考えると解り易いのですが・・・。
 特級=いい物、高級品。2級=安物、廉価品。

 ねっ、解り易いですよね。(もっとも日本酒の場合酒税の都合も多そうですが・・・)

 
 考えると、日本で人気の宝飾品ブランド、多くがフランス製という気がします(エルOスとかヴィOンとか・・・)。勿論18世紀以前においてもルイ王朝御用達のフランス制奢侈品は著名だった訳ですが、これをブランド商品として成立させたのが19世紀であり、パリの万博であったという気がするのですよね。
 そしてそのワインとしての嚆矢がボルドーワインであり、行ったのはナポレオン3世周辺・・・、ということなのでしょう。
 

 確かに現代でもワインの産地名として最も著名なのはボルドーという気がしますよね。

 
 万博に出品し、受賞したことにより万博来場者に知名度が広がるり、更にそこからの口コミで・・・・・、こうしてボルドーワインの名は不動の物に・・・・と。


 ただ、万博に行けない人たち、一般消費者への知名度は・・・・となりますと・・・・。

 そこでもう一つの要素、広告・宣伝という存在や媒体。


 19世紀はまた商品広告が本格的に始まった時代という気もするのですよね。


 例えば以前一寸アップしたこの本。


 明日は舞踏会


表紙もそうですが中にも多くのイラスト(石版画)が掲載されておりまして・・・・。

 例えば

 1830頃


 これらは恐らく1930年前後の”モード”誌のページでしょうが、この頃からこうした形で広告宣伝的な物が本格的に始まり商品のブランド化、知名度向上に貢献していく訳でしょう。

 そして恐らくこのモード誌はエミール・ド・ジラルダンの作ったものでしょうが、その後彼は1836年にページの半分が広告という形態の新聞(広告料故に値段が安い)を発行する訳ですが、これが商業新聞の嚆矢でしょうし・・・・。

 (そういえば私の家に配達される新聞もその役半分のスペースが広告やそれに類するものですな)


 一寸話は飛びますが、18世紀末、寛政時代に活躍した歌麿や写楽等の浮世絵も上のモード誌同様の存在(詰まり広告的)だった訳ですし、平賀源内が引き札(ちらし広告)を発明したのは18世紀半ばですから其のあたり我が国の方がかなり早いですかね?更に云えば菱川師宣の”吉原の態”なんて17世紀半ばですし、実は個人的には菱川師宣が浮世絵広告の嚆矢とも思えたり。
 (となると、ジラルダン等も浮世絵に影響を浮けた?いやいや、フランス革命自体、印刷物の影響が多きそうですし、マスコミ・プロパガンだ的存在が起こしたとも言いえそうだし・・・・・) 


  ごめんなさいついつい癖の妄想が・・・・・。


 因みにバカナリヤの店内に掛けてありますこちらは・・・。

 
 1853頃


 1853年の物です。

 石版や手彩色の手法が1930年代より上がっています。
 (はい、この手のもの好きなのです)

 更に云えば19世紀の終わり頃になりますと印刷技術の発達で印刷のイラスト広告がそれこそ大量生産される時代に・・・・、アメリカのシャツメーカーの”アローマン”なんて代表的存在ですよね。



 そういえば、モード誌が1830年前後、私の店内の物が1853年ころ・・・・。

 1830年のフランス復古王政~7月王政への転換期、1953年は第二帝政が始まりパリ万博を間近に控えた時期・・・。
 色々思いますよよね。

 (個人的には7月王政期に現代資本主義社会が成立したと思いますし、第二帝政でそれが固定化したとも思っているのですが・・・)


 何だかワインの話からそれていますな・・・・。

 でも思えば、フランスのAOCが発効するのも、確かパリで万博が行われた1937年だった記憶が・・・・。


 この辺り、中々面白いと思うのですがね・・・・。

 

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