2017/01
29
[ #905 ]

ワインのはなし 12

 前回の話の続きなのですが・・・・。

 1855年第一回のパリ万博に合わせて発効されたと思われるボルドーワインの格付け、そして第一次大戦後1937年のやはりパリ万博にあわせて施行されたと思われるAOCシステム。これらは消費者や公正な取引の保護や農産品やその加工品の品質安定や向上、信頼の回復、ブランド力の向上といった事を目的に成されたと思われるのですが、それはそれで成功事例と思われます。
 現在では各国で同様の法律が作られたりしていますからね。

 たしか我が国の酒造業界でも似た動きがあった記憶も・・・・。

 
 閑話休題、こうしたAOC等の規格、或いは法律の発効によりワインがどうなったか?というと私のような(バーテンダー)人間からすると、多くの消費者向けの嗜好品の地位を確立したのでは無いかとも思われるのです。



 等と書きますと、では”嗜好品”の定義とは?とか嗜好品とはそもそも何ぞや?何て話をしなければ成らない気もするのですが、これをやると結構面倒くさい事に成りそうで・・・・・ 笑 。

 まあ思いつくままに記せば、無駄な物、趣味の対象、収集の対象、学ぶ対象、道楽の対象、耽溺できる物・・・・といった位相を持った物・・・・。
 まあそんなところですかね?


 恐らく、中世以前のヨーロッパではワインは多くの人にとって、祭り等ハレの日に飲んで(皆で)酔っ払う物であり、そしてまたキリストの血でもあり、そこには社会的祭祀的意味合いが強かったと思われます(或いは民間薬であったり)。
 また我が国の酒も同様で、庶民にとっては、祭り等のハレの日に皆で飲んで酔っ払うもの(或いはそれは神とともに・・・・)といった側面が強かったはずでして。

 そう祭司的な社交ツールという存在の面が強かったのが、近代化とともに個人的な飲み物ともなり、趣味の対象ともなっていったと思われ、特にこうした規格の成立は、道楽の対象として学ぶ対象とも成った気がするのです。

 実際、本屋さんや図書館に行きますと、そうしたワインの本は沢山並んでいますし、色々なワイン講座といった物も多く開かれていたり・・・・。

 そう、よく通信教育等の趣味の講座ねんてチラシを見かけたり広告を見かけてたしますが、それらが扱っている趣味や資格同様にワイン(等)もその対象になったという事です。

 (教育産業、資格産業の儲けの種というと嫌味すぎるでしょうが・・・・ 笑 )

 そう学べる対象とも成りえたと・・・・。


 勿論、中世以前や江戸以前の我が国でも個人的趣味を持った個人も多かったとも思いますが、それがある種システムや学問として確立したともいえそうで・・・・。


 等と私が書きますと、何だか否定的な印象を与えかねない気もしますが、実はそうでもないのです。

 大体がバーという空間なんてそうとうに趣味的な空間といいますか、そうしたことばかり話題にしております訳でして・・・・。
 それに作家の開高健氏もどこかに書いておりましたが、”学問こそが最高の道楽である”と・・・・。

 そう、何かを知ること、学ぶことは快感なのですよね、それも出来れば非実利的なことを・・・・。


 例えば、最近流行りと聞く鉄道マニアの行動だって非実利的と思われますし、旧来の読書なんてのもそうですし、音楽なんてのも・・・。さらに言えば私の好きなオートバイなんてかなり非実利的な乗り物ですし・・・・。

 そう、この非実利的な事こそが、実は趣味や道楽の本質とも思われる訳でして。AOC等はワインという存在がそうした物と成ることを強力に後押ししたと思えるのですよね。

 そしてそれはウイスキーや他の酒類等にも広がっている訳でして。


 そしてバー(或いは旧来のサロン)等は、こうした話が似合う場所でもありますし。
 
 
 まあ、私がバーテンダーなんて事を出来るのもこの流れの延長線上にある訳でして・・・・、それは当然感謝ですよね。

 まあ、もっとも我が国の江戸時代、趣味とか道楽に耽溺していた人間も多そうでして・・・・。まあ私も日本人ですし、理想はそうした雰囲気、やり方という気もするのですが・・・・。


 相変わらず纏まりの無い話しでした・・・・。


 

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