2017/03
21
[ #920 ]

ウイスキーのはなし 6

 確か以前19世紀末辺りに多くのスコッチウイスキーの蒸留所が開設されたのでは云々・・・、何て事を書いた記憶があるのですが・・・、その後は・・・?といいますと・・・・。


 1914年から始まる第一次大戦。

 これこそ近代戦争の嚆矢といわれる物で、英国等も総力戦となりウィスキー業界もそれなりに影響は受けたと思われます。
 更に大戦が終わった後、スコッチウイスキー最大の輸出先である米国での禁酒法の成立(19年)施行(20年)が待っている訳ですから・・・・・結構辛いですよね?

 
 まあこの禁酒法も29年の大恐慌を切欠に廃止され30年代以降スコッチウイスキーは英国にとっての最大のドル獲得輸出商品と成る訳ですが・・・。

 


 まあ、このあたり第一次大戦以前ですと他に工場で生産された各種製品等も輸出商品だったと思われるのですが大戦をきっかけに米国が世界の工場ともなり世界の主導権を握ったとも言えそうです。
 また米国に対し戦費に拠る負債も多く抱えていた訳でしょうし其の為の外貨獲得手段としてのウイスキーという立場も強くなった様にも思えます・・・。


 そして39年からの第二次大戦・・・・・。


 当然ウイスキーの生産量も激減する訳ですが、唯、最低限の生産量は確保されていた様で・・・・・・。

 先ず第一に、酒と煙草は戦場の兵士にとっては必需品。
 戦地という非常にストレスの掛かる場所ではやはりこうした嗜好品は欠かせない訳でして・・・・。
 (しいて言えば他に女性。詰まり売春婦ですな・・・・)

 日本でもサントリーやニッカに対してはある程度優先的に原材料等が供給されたようで・・・・。特に日本海軍は英国式を踏襲している訳でウイスキー似たいする指向は強くあったようです。
 (かの戦艦大和にもサントリーのウイスキーが士官用に常備されていたとか・・・・)
 (勿論日本酒もそうで、軍御用達の酒蔵等にはある程度優先的に原材料等がまわされ・・・・・)
 (相変わらず話が横道にそれ気味で・・・・)


 そしてもう一つ、恐らくはドル獲得の輸出品として生産量は確保しておきたかったということも大きいと思われます。


 現に当時の英国首相ウインストン=チャーチルはヨーロッパ戦線が粗終結する1945年4月にこんな覚書を残したとか・・・。

 「いかなることがあってもウイスキー用の大麦の生産量は減らしてはならない、熟成に何年もかかるし、ウイスキーは貴重な輸出商品でありドルの稼ぎ手である・・・云々」

 
 とまあこうした視点をもったチャーチルが首相だった事もあり対戦中もある程度ウイスキーの生産量は確保されていた訳ですが・・・。 
 
 (流石チャーチル先見の明が・・・・?)

 
 で、戦後はどうなったかというと、その後7月の総選挙で労働党内閣が成立、まあ、チャーチルは敗れて下野する訳です。

 で、ウイスキーを巡る環境はどうなったか?



 ウイスキー産業に対する管理は格段に強化された様です。
 (まあ、チャーチルがウイスキー業界に甘かったともいえそうですが)

 また、外貨(ドル)獲得の為の輸出産品としての視点も更に強くなった様にも・・・・。


 生産されたウイスキーを積極的に輸出に回すため、セリに拠る売買の禁止や、英国内での課税強化、輸出目標の設定、輸出と国内消費のバランスの監視等々・・・・・。


 という事で戦後英国内で消費されるウイスキーの量は一時期(48年辺りで)戦前の2割程度まで減少したとか・・・・。


 英国内のウイスキー飲みはかわいそうですよね?

 まあ、イングランドはどちらかといえばビール飲みの地域ですからいいとしても、スコットランド人や北アイルランドの住民はというと・・・・・・・。

 (スコットランドの英国からの独立志向が消えないはず・・・・?)


 こんな事を書きますとチャーチルはウイスキー思いでウイスキーの恩人か?というと、どうも一筋縄では行かない様で・・・・。


 1920年代の米国禁酒法時代、米国内では密輸のウイスキーが多く出回って居た訳ですが、其の主流のひとつは、シーグラムやカナディアンクラブのカナダ産ウイスキー、それ以外にもスコッチウイスキーも高級品としてそれなりに・・・・・。

 このスコッチウイスキーの密輸の裏に居たのはチャーチルであったといわれています。
 
 (さらに云えば運んだのはギリシャのオナシスの関連・・・。ギリシャ王室は英国王室系でしたよね・・・、それが所謂”鉄のカーテン”にも繋がり・・・・等々、等々)
 (我が国の関係で言えば、日本を降伏させるため、諸都市を焼夷弾で焼き払うのがもっとも効果的とルーズベルトにアドバイスしたのもチャーチルとか)


 中々歴史といいますか戦争といいますか、世界は怖いですな・・・・。



 追記

 戦後英国国内で売られているウイスキー、アルコール度数が40%の物が多い様に思えます。日本仕様だともう少し度数の高い物が40%に成っていたり・・・・。

 結局これはウイスキーを英国国内での消費を抑え輸出に回す量を増やすための酒税措置が基と成っているように思えます(他消費税等も有るやも知れませんが)。

 確か英国ではワインやウイスキー等では含まれるアルコールに対して酒税が掛けられるはずで、純アルコール1リッター当り、恐らく日本円で5000円余り。

 結構高いですよね・・・・。

 で、小売単価を下げ消費者が購入しやすく思えるようにアルコールで度数を下げている面も多いかと思われます(終戦直後の政策もあったかな?一寸記憶があいまいで申し訳ない・・・・)。しかし、ウイスキーは英国内では度数が40%以上の物と規定されている故、その下限の40%物が多くなるということでしょう。

 (因みに700mlで40%だと、アルコールに掛かる税だけで1500円弱ですかね?)


 という事でマッカラン等も英国仕様は40%物があったり・・・。


      40%




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