2017/05
30
[ #937 ]

ウイスキーのはなし 7

 戦後、今に続くウイスキーの事を思うとやはりこの酒の話は外せない気がするのですよね・・・。


      フィディック


 グレン・フィディック 12年


 1963年に市販が始まった初のシングルモルト・スコッチウイスキー。


 何故1963年だったのか・・・、いまひとつ良く判らない気もするのですが其の辺り徒然に妄想を膨らませて・・・・。
 

 


 そう、前回も書きましたが、戦後スコッチウイスキーは英国の外貨獲得の主力商品となり盛んに海外、特に米国に輸出されるのですよね。

 特に1950年代から60年代という時代米国は戦後の好景気、まさに我が世の春といった具合で・・・・、まあ第二次大戦唯一の勝ち組といっても過言では無いでしょうし・・・・。そう、映画でいえば”アメリカングラフティー”等が描いた世界。
 当然スコッチウイスキーも盛んに輸出され、高級ウウイスキーの地位を獲得する訳でして。

 そう、戦後のアメリカ映画等を観ていますとしばしば、これは俺の取って置き、スコッチの12年物だ・・・云々、何て表現にしばしば出くわしますが、そんなものでしょう。

 また其の流れで、我が国でも60年代辺りからスコッチウイスキー=高級品、高級ブランドといったイメージが定着していた気がします(それこそジョニー=ウォーカーの黒なんて・・・、また初期にはホワイトホースやベルとかも、黒澤監督の天国と地獄だったか?ホワイトホースがそんな感じで使われていたのは・・・・)。

 といいますか、世界的にそうしたブランドイメージが定着し、英国からのウイスキーの輸出量が飛躍的に増える時期ですよね。

 で、其の時期にグレン・フィディックは初の市販シングルモルトウイスキーとして売り出される訳ですが、この時期、モルトウイスキーの蒸留所は厳しい時期だった・・・なんて記述もあったりしまして・・・・、一寸、??? な気分だったり。


 まあそれはさておき、初の市販シングルモルトとして・・・、と書きましたが、それまではそうした物は無かった訳です。

 つまりスコットランドのモルト・ウイスキーの蒸留所は基本的に樽の形で売っていた、という事。


 そう、流通業者が樽で買い付け、ブレンデッドウイスキーのメーカーに売りに行くという形が主流。
 またそうした業者が独自にビン詰めして売ったり(いわゆるボトラーさんですね)。
 あと、地元の人が直接買いに来たりもあったでしょう・・・・。


 ともかく、スコットランドのモルトウイスキーの蒸留所は瓶詰めのラインを自前では持っていなかった訳ですね。

 でこの時期、フィディックはそうした投資を行い(他、樽造りの職人を抱えたり、ビジターセンターを造ったり・・・・)独自に販売を始めたという事でしょう。

 
 という事は、50年代~60年代辺り、ブレンデッドウイスキーの会社は景気は良かったが、モルトウイスキーの蒸留所はその下請け的でボチボチといった感じだったということですかね?



 閑話休題、ともかく1963年にフィデックは売り出された訳でして・・・・・。


 で、どうなった・・・?

 一つはグレンフィディック自体がブランド品としての地位を確立したという事は有るでしょう。


 以前、某所でイングランドの方とプライベートで飲む機会が合ったのですが、その際彼が、私の”とっておき”として出してきて下さったのが、グレン・フィデイックの18年でした。
 確かに私がウイスキーを飲むようになった頃に聞いた話で、当時イングランド人のとっておきの酒はグレン。フィディックの18年と聞いた事があったのですが(高度成長期の日本人にとってのジョニ黒やナポレオン的な存在)、そういった地位を確立したということでしょう(他英国のTVドラマや映画等でもそうしたシーンを観た記憶も・・・・)。


 そしてもう一つはウイスキーがそうした社交ツールから嗜好品としての位相も獲得したという事でしょう。

 それこそフランスワインがAOC等により、それこそセパージュ(葡萄品種)やテロワール(土壌や風土)の違いを楽しむ(場合によっては学んだり)嗜好品となったように、(シングルモルト)ウイスキーもその風土等蒸留所の個性に違いを楽しむべき嗜好品としての地位を得たという事だと思えるのです。

 つまりは趣味や道楽の対象に成るべく踏み出した・・・・、ということなのでそしょう。


 そして現代、シングルモルトはウイスキー出荷量の15%以上を占める様になり、各地にモルトバーが出来ていたり・・・と。


 もちろん、ウイスキーや酒だけでなくほかの多くの者や商品も趣味(収集、おたく)の対象として存在、あるいは消費されている訳ですが・・・。

 鉄道・車・音楽・映画・・・・・、まあキリが無いですが・・・・・。
 
 まあ、現代というものそうしたものかも知れませんし・・・・(いや、骨董とか絵画を考えると、けっこう古いか・・・・)、。

 まあ、そんな事を考える訳です。


 

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