2017/06
30
[ #945 ]

ビールのはなし 5

 此処のところ蒸し暑さが増しビールが美味しい季節となりました。

 閑話休題、このところクラフトビール(所謂地ビール)が結構ブームといいますか(他各種輸入ビール物も含め)、色々イベント等も開催されていますようで・・・・。

 そう、ここ10年余り前くらいからですかね(或いはもう少し前か?)結構地ビールの話題等を耳にするようで・・・・。
 (現実には確か94年に規制緩和があり、色々と地ビールが誕生したわけですが、定着した感じなのは此処10年程に思えます)

 ということでそれまでは所謂4大メーカーのビールが殆どで(もちろん今でも消費量はそうでしょうが・・・)、確か店を開けたころもたまにお客様から・・・


 「日本のビールって、みんな似たタイプ名のですかね?所謂ドイツ風というか・・・・・」


 等といった質問をいただくことも結構あった記憶があります。





 確かに今でもそうですが、大きなメーカーの造るビールはほとんど下面発酵タイプの割と似通っ飲み口のビールですよね?

 ということで其の辺り妄想を膨らませてみますと・・・・。



 先ず、所謂ドイツ風というのはやや間違いといいますか・・・・。

 特に昭和の時代に主流だったビールは、米等の副材料も使われたもので、言ってみればアメリカスタイルのといって良い様思えます。
 

 そうなった理由は色々とあると想われるのですが・・・・、

 やはり大きな理由としては、夏場高温多湿となる日本では上面発酵タイプのものは安定した品質を確保し辛かったという面が大きいのかと想うのですよね。

 また、横浜に造られた我が国初のビール工場にしろ、現サッポロビールにしろ、技術者がドイツ人であったり、ドイツで学んだかただったりという事も大きいのかも知れません。

 

 唯個人的に想うのは、当時陸軍がフランス式からドイツ式に変わった事とも同根かとも思えたりもするのですよね・・・・。


 当時、西洋使節(視察)団や桂太郎等の留学経験者の進言もあり陸軍がそれまでのフランス式からドイツ式に変わっていくのですが(因みに海軍は基本的に英国式)、其の辺り、西洋視察影響がつよそうですよね。

 明治維新自体は基本的に英国主導で行われた訳で、それもあり往時、鉄道や船、造船関連等の機械等英国からの輸入が殆どだったわけでしょうし、政府も英国を手本といいますか目標といいますか・・・・、まあそんな感じだったのでしょうが・・・・。


 ただ、当時の英国、確かにユーラシア大陸の端にある島国という事で地政学的に日本とも似た感じで手本にもし易かったかもしれませんが、なにせそこは世界に冠たる大英帝国、目標としては余りに大きいといいますか・・・・。

 で、1860年にヴィルヘルム1世が即位した後、普仏戦争でフランスに勝利したドイツ(プロイセン)帝国に学ぶ事も取り入れたといいます、方向を変えたといいますか。

 
 とまあ、そうした影響もありドイツ式に機械等が輸入されるようになり・・・・と。
 といいますかプロイセン式といいますか・・・・。



 何故、こんな事を書くかといいますと・・・・。
 
 はじめに昭和の日本のビールはアメリカスタイル等といいましたが・・・・。ドイツにはビール純粋令というものがありまして、麦以外の副材料を使ったものはビールとは名乗れないのです。

 また、現在のドイツの南部、旧バイエルン州。まさに此処がビールの本場ともいえるのですが、此処では色々なタイプのいわば伝統的なビールが造られ、当然上面発酵もあったりで・・・・・・。


 まあ、言ってみればは日本で造られるビールはドイツ式というよりも、北部ヨーロッパ式といいますかプロテスタント式といいますか、それを手本としたという言い方が良い気がするのですよね。


 純粋培養酵母(これの嚆矢はたしかやはり北ヨーロッパ、デンマークのカールスバーグ)を使い、チリングユニット(冷却装置)をによる温度管理にて下面(低温)発酵による安定した品質の大量生産のビール造り。

 言い換えれば近代式のビール製造。

 まあ、なにせ文明開化ですから。

  等と書くと批判的と捕らえられそうですが、別にそんなことも無く、日々安定した味のビールが飲めるのはこのおかげなわけでして・・・・。


 そして、おそらく戦前の物資不足等もあったのか、工夫もあったのか、米等の副材料も使われるようになり・・・・。


 では、米やスターチ等の副材料を使うとどうなるのか・・・・。

 まあ一言で言えば、飲み味が軽くなる。

 飲みやすいというか、淡味というか、ドライというか・・・・。


 これが日本の気候や飲まれ方に合致したのでしょうね。


 高温多湿な日本の夏だと、やや軽め淡めの方が飲みやすいですし。

 それに基本的に我が国の飲酒文化って、新年会や忘年会、歓送迎会等、共同体ベースの飲みが主体ですらね・・・・。そうなると何はとまれ飲みやすいのが一番といいますか・・・・・。

 まあ、そういうことなのでしょう。


 では何故、最近地ビール(クラフトビール)等が注目されるのか・・・・・。


 この辺りの妄想ははまた改めて・・・・・。



 

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